「コイルを圧縮する」・・・・と聞いただけで、無謀な技術と思う技術者の方は正常な判断である。


ましてやコイルを「圧縮・成型」すると聞いて「そんなことは愚の骨頂」と思われても致しかたない。


 しかし、我々このような技術を手がけ、これから一般化して行こうと思う立場の人間から言わせて戴くと、必ずしもそんなに危険な技術ではなく、むしろうまく使うとかなり有効な技術だということを今日はご説明したい。


 


 モーターのコアに隙間なく丸線のコイルを詰め込む。しかもそのコイルの占積率が90%以上ということになれば、トータル的に言えば、モーターコアにこれだけ密に巻く技術は他にはなく、最小スペースで最大効率を出せる技術=「ミニマムスペース&マキシマムパワー技術」・・・・ということになる。


 


 実績は・・・と問われれば、圧縮コイルはかれこれ15年間、半導体露光装置用で92%圧縮比でずっと納めてきており、一度も電気特性的なトラブルは発生していない。


 また、最近では釣り具のDCモーター用に当社の圧縮・成型コイルが、やはり圧縮・成型比92%で使われており、こちらもほぼ半年、10万個ほど生産しているが、その手の問題は全く起きていない。


 コイルを輪切りにして断面写真を撮り、被膜の厚さを調べてみたが、特に圧縮・成型となると結構ばらつきはあるが、被膜はイメージとして,泙困詫暫總悗ある電線は、融着層がグーッと端に寄せられる、⊆,縫灰ぅ襪押されて6角形状のハチの巣状になる、そして次に絶縁皮膜が押され薄くなる。


 この実験で判ったことは、コイルがきちっと巻かれていれば、かなりの圧に対しても被膜の損傷はない、むしろ金型に接するコイルの被膜の方が傷つきやすい。


 それもコイルの外観は、後から絶縁処理…という手もあるため、やはり気になるのは内部の電線間の被膜損傷の問題であろう。


 


この圧縮技術のポイントは?と問われれば、間違いなく、その前の巻線がきっちり乱れなく巻かれているか否か?である。


 当社の整列巻きは、通常(昔は当社もそうであった)の空芯巻線の整列巻きが70数%の占積率(被膜込み)に対し、87%超の占積率を誇っている。


 この占積率の高さ=きちっと巻かれているか否か?がこの圧縮・成型技術には最も大切なことということになる。


 逆に言うと、ちょっと乱れたり、寄ったりしているコイルに圧を掛けると、非常に危険なのである。


 電線が乗り上げるクロスポイント部を押すのは、もっての外、またリード線もかなり気を使う必要がある。


 


 コイルのオーバーモールドも結構な圧がコイルにかかっている。


 考えようによっては、オーバーモールドコイルの方が、圧縮成型コイルよりも難易度が高いかもしれない。


 理由は、中が見えないから…である。


 見えないものは管理できない。


 オーバーモールドの場合は、リード線の処理又は結線部は特に難しい。


 結構、色んな会社で封止成形とか、一体成形をやられているが、その辺の処理はどうしているのか気になる。


 一番困るのが、線が切れかかっている状態で、樹脂に支えられて各検査工程をクリアーし、市場に出てしばらくしてから完全に断線してしまう・・・というケースである。


 このケースとしては、一見、どこも悪くはないのであるが、結局は、これを設計した設計者も、これを造ったメーカーも、各検査工程の人達も全員、責任があるのである。


 


 当社のコイルのモールド化の歴史は長い。


この手の問題は過去に何度か起こしている。


相当気を使って手当てしていても、ちょっとしたことで不具合が出ることもあった。


見た目には難なく出来上がっているように見えるオーバーモールドコイルは、結構ノウハウの塊だと認識して戴いた方が良いと思う。


 


・・・ということで、話はそれたが、「高密度圧縮・成型コイル」の技術は、正しい知識を持って臨めば、問題ない技術である・・・・ということ、逆に結構一般化している「オーバーモールドコイル」の方が、安易にやると、大けがの元・・・・と私は言いたい。


 またこの技術は車載のモーター用に開発されたが、私はもっと小さなモーターで、スペースが限られている中で、最大限出力を出したい…というようなニーズがあれば、最適な技術と申し上げておきたい。


正に“ミニマムスペース&マキシマムパワー”なのである。


 


小さな圧縮・成型コイルは既に自動化ができており、数が多ければ、かなりコストを抑えた製品を提供できる。


是非、ご相談を!!