石丸伸二は日本の希望?

今東京都知事選の真っ只中、3期目を目指す小池百合子氏、自民党の裏金問題の弱みを土台に一気に都知事を狙う蓮舫氏、そしてそこへ突然、前広島安芸高田市市長の石丸伸二氏が割り込んできた。
前二者はこれまでの実績と知名度と既存の様々な組織や団体を背景に持つ、これまでの選挙のスタイルを踏襲したいわゆる組織票と呼ばれる票を基盤としている。
これに対し石丸氏は全くそのような組織はなく、唯一の実績は安芸高田市の市長4年間のみだ。
テレビや新聞は“小池、蓮舫の一騎打”風な報道で、石丸氏はその他の50人余りのうちの筆頭格的な扱いでしかない。どう考えても不利な戦いでありこれまでの選挙、政治を考えると「ありえない」候補者である。
しかしかなり善戦している。
その背景にあるのはネット、SNSである。
私も息子にこんな市長が居てネット上を賑わしているよ・・・と言われ、ここ3ケ月前位からユーチューブを観ている。
安芸高田市長時代は議会での議員とのやり取りの炎上、そして各メディアとのやり取りの炎上によってユーチューブを始めとしたSNSで全国の視聴者の心を掴んできた。
そして任期4年を迎えたこの時に突然、東京都知事選に躍り出た。
20日から始まった選挙戦、石丸氏はお得意のSNS拡散でネット上を大いに賑わせる。
ドトールコーヒー創業者の鳥羽博道氏が安芸高田市のネットを観ていて熱烈に石丸氏を支持、その関係で選挙のプロ藤川晋之助氏が選挙の陣頭指揮を取るとのこと。
その他、政界の人、財界の人、様々な人達が応援する。
ただ石丸氏は特定の人からの多大な応援は断っている。
一番の信条に挙げているのが『何からも誰からも縛られない政治』だからだ。

この構図をそのまま鵜呑みにして考えると今までの政党政治・利権団体政治・宗教団体政治・マスメディア政治 対 無所属・無利権団体・無宗教団体・ネットによる一般市民による戦いということになる。石丸氏の言う「政治屋の一掃」である。
この戦いは日本の将来を決めるきっかけになるかもしれない。

既存の政党、長年積み上げてきた利権構造の政治を本当の意味の一般大衆の手に取り戻す選挙ということになり、正に「革命」ともいえる。
安芸高田市政で石丸氏は議会との戦いをSNSを通じて安芸高田市のみならず全国に発信し、その是非を問うたのだった。
これをもし東京都でやったらいったいどういうことが起こるのか?
それこそ今の一部の先進的な人たちにとどまらずほぼ国民全体に議会の様子が伝わり、これまで全く関心を持たなかった議題の一つ一つが見る人々にとって「他人事」から「自分事」に代わって行く可能性がある。
はっきり言うと今まであまり明るみに出なかった東京都の様々な事柄がリアルタイムにネットに流れ、その是々非々が全国民を巻き込んで問われることとなる。
おのずから国民の政治への関心を呼び起こすことになり、勢い国政にもその目が向けられることになると思われる。
これらのことが”成功”すれば間違いなく第二第三の石丸氏が次々に現れ、各県や市、村のレベルからこの国が変わり始め、やがてそのうねりは国中を巻き込むことになる。
当然様々な事が改善され、これまでの膨大な無駄や不正な支出はなくなり間違いなくすべての施策は全体最適の方向へ向かうであろう。
石丸氏が言う。「日本は、経済は一流、政治は三流といわれてきたが、政治が三流だと経済も三流になる」
確かにその通りだろう。
戦後の驚異的な経済発展の陰には政府の大きなかじ取り、支援があった。逆に半導体産業のように政治力の弱さにより海外に持って行かれてしまったような事例もある。
政治に力をつけるためには政治家が国のため、国民のために知恵を絞りまずは日本の経済を立ち直す必要がある。
海外の国々とりわけアメリカに対しては、それこそうまく立ち回る必要があるし、中国、ロシア、北朝鮮等に対しても外交の力で本当の意味の防衛をする必要があると思う。
今はアメリカには絶対服従、アメリカの敵対国に対してまた核兵器の問題に対して唯々アメリカの意向に沿うのが外交となってしまっている。
それと一つの国として絶対やらなければならないのは食料の自給、エネルギーの自給である。これは政策というよりも自立した国としては当然いの一番にやらねばならないことだ。

話は飛躍していつも私が思っているこの国の課題となってしまったが、とにかく石丸氏の今回の活躍は、ネットという新時代のツールの登場によってテレビや新聞、雑誌等のマスメディアがネットに、手紙やはがき等の通信手段がネットに、買い物も店頭からネットへと変わったように、政治もネット時代に突入しようとしているという表れである。
早くネット投票になればよいと思うしそうすべきであろう。
投票率が50%だ60%だと言っているような状態では本当の意味の選挙とは言えない。
今回の選挙で石丸氏が当選するか否かは、わからない。
ネットでは大盛り上がりをしていても一般マスメディアはほとんど報道しないため、テレビ、新聞世代にはほとんど無名のままでありやはり「現職は強い」。
しかしあと10年もすれば間違いなくそういう時代が来ると思う。
もうすぐ78歳となる私にとってはできれば一日も早くそのような時代になり、国民が政治に関心を持ち、政治が変わり、経済も変わり、日本が良い方向にどんどん変わって行く様を冥土の土産にしたいものである。


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