一昨日、映画「ノア」を観た。
ノアの方舟伝説は、全能の神は善良なノア一家と、各種動物のつがいを一組ずつ方舟に乗せ、大地を埋め尽くす大洪水から守り、この邪悪な人間が増えた世界を浄化しようとする物語りであると思っていた。
ところがこの映画では、ノアには3人の息子がいるが長男の嫁は子供を生めない身体であり、後の二人の息子には嫁がいないため、このままだと人間の種は絶えてしまうのだが、ノアは結局「人間は自分も含め邪悪な心に打ち勝つことは出来ず、このまま人間が亡びることによってこの地球は完全に浄化される」ということで、そのままの状態で、大洪水を迎えようとする。
しかし、子供を生めないと思っていた長男の嫁は、森で出逢った祖父の霊力によって、子供を身ごもってしまった。
ノアは男だったら生かしておくが、女の娘が生まれたら殺すと言う。
女の娘だと子供を生み、人間の子孫がそのまま生き続けてしまう可能性があるからだ。
この事で、それまで平和だった家族に亀裂が入り、夫婦も不調和、息子達も父親を殺し、赤ん坊を助けようというような気持ちが生じた。
結局、女の子の双子が生まれ、ノアは殺そうとするがかわいい自分の孫を見ると果たせずに終わるという神との約束を取るか?自分の心の愛を取るか?という大変な苦しみの中での選択だったということである。
ここで、重要なポイントは、地球を救い、他の穢れを知らない動物たちを救うには、人間を絶滅させなければならないということである。
これは、キアノ・リーブス主演の映画「地球が静止する日」と全く同じ内容となる。
この映画は、人間以外の他の動物のツガイを全て丸い宇宙船に乗せ、人間を始めとして、後に残った地球上の生き物を全て抹殺してしまおうとするというストーリーである。
結局、この主人公のキアノ・リーブスは「地球を救うために人類を滅ぼしに来た」のである。
確かに、今毎年5万から15万種といわれる様々な種が絶滅し、人間だけがドンドン増え続け、50年後には100億人に達する勢いである。
これは、どう考えてもまず①食料が足りなくなる、②奪い合いが起き、戦争が起きる、③核戦争になれば、それで地球が亡びる可能性がある。
最近のO-157とか鳥インフルエンザだとかの類の細菌により地球上の生物が亡びる可能性もある。(細菌の逆襲)
その他、人為的要因の異常気象による壊滅的な食糧不足とか、温暖化による海面上昇とかの問題も考えられる。
また大地震とか巨大な隕石落下とかの純粋な自然災害(神の意志?)も考えられなくもない。
いずれにしろ、人類はこのままでは、永遠に生き続けることはかなり難しそうだ。
人間は、自分や自分たちのエゴのために他の種を滅ぼし、自分達自身も殺し合う。
”恐怖”は”恐怖”を呼び、敵からの攻撃の備えをドンドン増強して行く、ある時、些細なきっかけから戦いが始まる。これが拡大し、本格的な戦争に突入する。
お互いの力が拮抗していればいるほど、戦火が広がり、現代では最後は”核戦争”に発展する恐れがあり、地球が亡びる可能性が出て来る。
今や“平和国家=日本”というレッテルは貼り換えられ、“世界の希望の星であった日本”もこれから戦争に参加しようとしている」
確かに神の目から見たら、人間は「どうしようも無く愚かで有害な“生き物”に映るかと思う。