会長の部屋:藻谷浩介氏講演(10/20上田信金主催)-

「地方創生に求められる住民の意識改革」

  山口県出身 51歳  世界32ケ国訪問 著書:「里山資本主義」等
精力的に日本全国を飛び回っている人である。
お母さんが佐久病院に入院しているということで、この佐久地域についての大変に詳しい。足で得ていると思われるが、佐久のみならず各地の様々な情報を持っている人である。

そのほとんどの時間は、「イメージが強いため、事実と全く違うことが多い」というテレビ、新聞、雑誌等の世の中からの情報のイメージと、実際の統計上の数字とは結構かけ離れていることが多い・・ということの証明に費やした。

設問1)日本の殺人事件の件数は増えているか減っているか?→減っている
マスコミが騒ぐため、非常に多いように思えるが、年々減ってきてい
る。一日3件位。交通事故もイメージとしては増えているようだが、実際はかなり減っている。 且つての16,000人が3,000人位
 設問2)東京大学卒業者の就職率は97%~46%の大学卒業者の就職率(46%~97%)の中でどの位に位置しているか?
 ヒントは早稲田、慶応と同じ位等ことであるから当然、トップクラス
だと思ったら、66.4%ということである。東大生の場合はペーパーテストはすごいが、実際の仕事となると別で、逆に使い勝手が悪いらしい。ちなみに東証マザーズ上場企業の社長は高卒が多いとのこと。
 設問3)長野県の空き家率は何番目くらいか?→長野県が全国第二位。
しかし空き家数が多いのはダントツには東京(82万件)、次いで大阪(68万件)、神奈川、愛知、北海道、千葉となる
 ・その他、国防上、危なさから言えば北朝鮮とかロシアの方がはるかに危ないが、絶対にありえない中国が危ないと言っている。
・尖閣より北方領土の方が問題。
・久米宏のプロダクションが「報道ステーション」=左寄り?、「テレビタックル」=右寄り?の両方の番組を作っている。
・日本は何処と国際競争をしているか?
<負けている国>中東のガソリン、灯油 14兆円/年の赤字 ロシア、オーストラリア、イタリア、インドネシア、マレーシア、タイ
<勝っている国> アメリカ 13兆円/年の黒字 オランダ、イギリス、韓国、台湾、シンガポール、メキシコ、ドイツ
・フランス、中国、カナダ、ブラジルはさほどの差はない。
・中国は±ゼロ、ロシアもたいしたことない   
・自動車部品は日本が圧倒的に強い。
・サムソンやアップルの主要部品の大部分は日本製
・工作機械やロボットも日本製
・2014年に特許料がアメリカからとれるようになった。
・日本人は、自分ができていることを知らない
・アメリカに負けているのは、経営管理ソフト等の産業用ソフトが大負け に負けている。
・中国は日本に特許料と旅行で2兆円払っている
・中東との取引は、円安で赤字が膨らんだ 円安は最悪14兆円の赤字
ドル建てのため、大企業はバーチャル最高益になっている。
・ロシアに対しても円安で赤字が激増。
・原発事故後、省エネで節電効果があり、原油の輸入量は全然増えてない。金額が増えているのはただ単に円安のため。
・原発が止まって原油の輸入が増え、電気代が上がると言ってたのは原発で儲けていた人たち。 
・星野リゾートには以前から小水力発電と地中をも利用し、エネルギーの 自給ができていた。
・イタリアに対し日本は震災後大幅な赤字になっている。ピザ、スパゲッティ、ワイン、オリーブオイル等
・スイスに対して1兆円の赤字。スイスの非正規労働者の賃金は日本の3倍であるが、日本から荒稼ぎしている。
スイスの100万円の時計のうち、クォーツは日本製(2000円)、その他の99万8千円はスイスの稼ぎ。

この国の人たちは、「国際競争に負けている」「生産性が落ちている」「景気が悪い」等の言葉に振り回されている。
 調べれば、ちゃんと正しい統計情報があるのに、上(政府)から下(一般市民)まで全く無関心。
不安をお互いにあおり「不安」を拡大・共有している。
定義のあいまいな言葉を持ち出して、なんでも「マネー」に換算してあおる話はまったく問題の本質をついていない。

もっとも大事なことは、化石燃料を使わず、自然エネルギーを使うこと。

 結局は、工業製品を売って、油を買っている。
 円安で、一見景気が浮上したように思っているが、実際のところは、逆にかなりのマイナスとなってしまっている。$=100円位が適当
 諸悪の根源は「円安」と「エネルギー政策」

 本題の「地方創生」については、  
・人口減が最大の問題。→人口の再生に失敗
・遊休土地建物が急増
・貯金が消費に回らない
・客観的な事実認識ができていない。
・人、モノ金が循環してない。
・50年後には人口減少が止まる。

・震災以降、佐久は人口が増えている。
・軽井沢、ニセコ(8割が移住者)はすごい。
・子供が生まれないで、団塊の世代が65歳以上になると途端にマイナス 1万人になってしまう。
・地方に「若い人の働く場」があるか否か?
・北海道のニセコは、若い移住者が多く、外人もたくさん住んでいて活気に充ちたモデルタウンだ。
・地元に金を落とすこと(地消地産)を考えるべきだ。

<私の感想>
 我々がいかに、世の中のいい加減な情報に振り回されているか?ということ。
 正しい情報をキチットつかめば、何をすべきか?何処へ向かうべきか?おのずから見えてくるはずだ。
 →この藻谷氏の統計を見る限り、日本の全エネルギーを自然エネルギーで賄えたら、日本の貿易赤字はなくなり、1000兆円の国の赤字も消すことができる。・・という私の持論になりそう。

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