会長の部屋:著書:孫正義社長から学んだ「10倍速」目標達成術の纏め-

ソフトバンク孫社長の社長室長を長年務めていた三木雄信氏が書いた孫社長の最短最速目標達成術を書いた本です。 孫社長のすごさと共に、目標達成のためには大変参考になるかと思います。

1、 わらしべ戦略

 一人の貧しい男が持っていた藁(わら)をミカンに交換することから始まり、それが上等な反物や馬に換わり、最後はお屋敷を手に入れて裕福に暮らすという物語。

<ソフトバンクの例>

① 1995年、孫社長(その当時のソフトバンクは年商2000億に満たない国内でもまだ名も知れてない会社だった)が世界最大のコンピュータ見本市のコムデックスを800億円で買収。

② 「コムデックスオーナーの孫」で名前が通るようになった。

③ それがきっかけで、アメリカのYahooと合併しYahoo JAPANを設立した。

④ ソフトバンク=ADSL事業に参入(儲からない上に手がかかりコストもかかって誰もやろうとしない事業)し500万人のユーザーを集める。

⑤ 日本テレコムの買収(500万人の顧客を持つ固定電話事業都の統合)1000万人のユーザー確保。

⑥ ボーダォン日本法人の買収(一兆7千億円)で携帯電話事業に参入。ADSL時代年商4000億円、ボーダフォン買収後は年商2兆5000億円、現在は年商8兆円超。

<孫社長の言葉> 水の上を歩くが如し (右足が沈む前に、左足を出す。)

<事例1>

① ある専業主婦が「好きな料理を仕事にしたい」と思った。

② マイナーであまり人がやってないカルチャーセンターの行使を目指す。

③ オリーブオイルを使った手作り石鹸(それまでは趣味であった)

④ 友人を集め、自宅で講習会を開いた。 ⑤ カルチャーセンターの講師になり、全国を飛び回れるようになった。

<事例2>

① 今世界から注目を集める気鋭の建築・インテリアデザイナー佐藤オオキの「飛び石作戦」。

② ミラノサローネという世界最大級の家具見本市へ出展。

③ 特別賞を受賞し大きく飛躍。日本でも名が知られるようになる。

④ デザイン界最高の栄誉であるEDIDAデザイナー・オブ・ザ・イヤーを史上最年少で受賞。

2、「ナンバーワン戦略」   

 ナンバーワンになれば、人、モノ、金、情報など、あらゆるものが入ってくる。人がやらない、あるいはやっている人が非常に少ないニッチな分野を見つけること。ソフトバンクは、ADSL事業で当時数万人程度のユーザーが普通の時代に、一度に100万台のモデムを発注し、当時の月額使用料7000円を2830円という破格の価格を打ち出し、100万台の予約をあっという間に取ってしまった。どんなにニッチな市場でもいいから、ナンバーワンをとる。これが10倍速で目標を達成するための二つ目の鍵。セグメントをできるだけ小さく切って、競争相手の少ないものをやる。フィールドをできるだけ小さく区切って、自分だけが入れるサイズの土俵を作ってしまえば、戦わずしてナンバーワンになれる。

3、「くじ箱戦略」  

「当たり」の出るまで、くじを引き続ける。  くじ引きのコツ ① 当たりそうなクジ箱を選ぶ。 孫さんはアメリカで成功している企業や事業と手を組んでジョイントベンチャーを次々と作っていった。その中の一つがYahioo JAPANであった。 ② クジをひくコストをできるだけ下げる。 ジョイントベンチャーは買収や合併と比べもっともお金がかからない。ソフトバンクは人や営業力をお金の代わりに出して相手を納得させた。 ③ くじを引き続ける。 「勝率は7割、後の3割は失敗しても、すぐに撤退すればよい」と考えていた。

4、目標数値化&週間化  

 まず、目標=ゴールをはっきりさせる。  20代に・・・・、30代に・・・・、40代、50代、60代・・・。と目標を定める。  目標を明確化すると、やらなくていいことが分かり、逆に何をすべきか?ということがはっきりしてくる。  また、現状を正しく把握し、どこに根本的な問題があるのかを明確にすることができる。  ゴールから逆算すれば、その日にやらなければならないことが明確になり、一週間単位のTODOに落とし込み、実践する。  習慣化=週間化する。=一日単位ではなく、一週間の中で帳尻を合わせる。  その日にできなかったことも、一週間単位でクリアーできればそれでよしとする。    

5、マジックナンバー7

「マジックナンバー7」の応用で7日間のサイクルが最も受け入れやすい。孫社長は「人生50年計画」を立てた。この50年計画を基に毎年正月に「その年の計画」を立てた。 人に会う約束や発表の日程といった、絶対に動かせない「小さな目標」を設 定することで、実現までのスピードが大幅にアップする。ナスダック・ジャパンの創設時、孫社長は記者会見を開き、「全米証券業協会と提携して日本に新たな証券市場を設立する」と発表し、それから11ケ月後の2000年5月には、ナスダック・ジャパンが無事開設されたのでした。この時は、なんのノウハウも、人もそろっていなかったということです。

6、ロールモデル法

「大きな成功を成し遂げるには、ビジョンを持て!」  また、「自分もこうなりたい」と思う人や会社を探し、その対象に追いつく、あるいいは最終的に超えることを目指す。→ロールモデルを「ベンチマーク」する。ソフトバンクはNTTをロールモデムした。ロールモデルが決まったら、その人や会社を徹底して調べたり、観察したりする。

7、高速PDCA

 目標を設定すること自体に時間をかけすぎてはいけない。ゆっくりしていると、他者が実行してしまう。   PDCAをできるだけ高速に回すこと。   頭で考えているのではなく、小さくていいからまずは実験してみること。   

8、「鯉とりましゃん」   

 事前に手を打って置き、相手が自然にこちらへ寄ってくるような状況を作っておく。 プレゼンの場の説得力やアピール力だけが本当の勝負ではなく、事前の仕組みが大事だということ。

9、打ち上げ花火作戦→名乗りを上げて世に知らしめること。  

 派手な発表で、様々なモノを引き寄せる。 人材、金、情報等が集まり、プロジェクトが可能となる。孫社長は、まだ事業を立ち上げる目処が立っていないのに、大きな花火を打ち上げ、そこに集まって来た人、モノ、金、情報を使ってその事業を成功させてしまうことが度々あった。例:ナスダック・ジャパン、Pepper発表

10、マウンティンガイド理論   

 新たなことを始めるには、自分で勉強するよりも、詳しい人に聴く方が早い。知らない山に登るときはマウンティンガイドに聴くのが一番。 全く知らない人からでも聴きだす。遠慮なく会いに行く。 孫社長はアメリカに行く前に16歳の時に、日本マクドナルドの創業者藤田田氏を訪ねている。藤田社長は「これからの時代はコンピュータの勉強をすべきだ」とアドバイスし、孫社長のその後の歩みを決定づけたそうである。「徹底して他人の力を借りること」「他人の能力をフルにひきだす」「何事も一人で考るな」「10秒以上考えても意味がない」が孫社長の口癖。 ブレーンストーミングでは「他人の発言を否定しない」、「自由奔放な意見を歓迎する」、 「アイデアの質は問わず、数をたくさん出す」のルールがあり、これを破ると孫社長にこっぴどく叱られるそうです。しかし実際は「言い出しっぺ」で「責任を取らされる」のが怖くて、なかなか意見が出ないようです。そんな時はリーダーが何らかの案を出し、それについて議論を求めると「責任を取らなくていいんだ」と思った瞬間から様々な意見が出るものだということです。 「今は面白いアイデアガあれば、お金は集まってくる時代」 「お金がないからいいアイデアが出ないのではなく、アイデアがないからお金が集まらないのだ」

11、プロジェクトマネージングスキル  

 様々な人が集まってチームを組み、「目的」、「納期」、「コスト」の三つの条件が揃えば、立派なプロジェクトになる。 最初にできる限り細分化し、人に振れるものは全て振ってしまう。ポイントは、とにかく早く仕事を割り振ることと頼む仕事は相手が無理なくやれる範囲まで細分化すること。 できれば仕事を細分化する作業もメンバーと一緒にやった方が良い。断然早い。

12、人に何か頼むときは「動詞形」では無く、「名詞形」で頼む。「調べてください」→「調査報告書を提出して下さい。」  「考えてください」→「企画書を提出ねがいます。」  人に頼む場合は3つ以内に絞る。ばらばらのミーティングよりも月曜週一の全体ミーティングの方が情報を全員が共有でき、効果的。(必ず全員が集まる必要がある。)また会議の最後には必ず、「誰がいつまでにどんなアウトプットを出すか」ヲ決め、議事録にしてメンバー全員で共有する。孫社長はホワイトボードの達人で会議の時の必須アイテム。  会議で意思決定をし、事を前に進めて行くためには、「情報」と「権限」が必要となる。  まず、会議のテーマを決める。 会議の設定は議事録の作成は、若い人が率先してやるべき  参加メンバーを幸せにすることが、プロジェクトマネジャーの究極の役割。鶴の一声(社長・役員の一声等)で混乱させないように「根回し」したり、事前の了解をとったりするのもプロジェクトマネジャーの役割。 「またこの人と仕事がしたい」と思ってもらえれば、次のプロジェクトも力を貸してもらえるし、都合が悪くても他の優秀な人を紹介してもらえたりする。 「できるだけ早い段階でメンバーに成功体験を味わってもらうことも、プロジェクトを成功させるための秘訣。

13、山崩し 数値化するためにまず問題を「グループ分け」する。 クレームが多かったら、問題をグループ毎に分けてみる。 会社の中身が良く分からなかったら、グループ分けして数字を集計してみる。 グループ分けは、通常「業界・業種ごと」「部門ごと」「地域ごと」と言ったジャンルが多いが、プロセスごとにまとめてみると問題がはっきりする場合もある。

14、二、八の法則 「パレートの法則」

 全体の大部分(約8割)は、一部の要素(約2割)によって決まる。=2割の問題を解決すれば、全体の8割が解決する。→8割の成果が上がる。効果が大きい・小さい、すぐにやれる・やれない、の二軸でマトリックスを作り、それぞれの問題がどこに入るか整理する。

15、掛け算法  一枚の用紙の左側に現在のトレンドを書き、右側に自社の強みを書き、この二つを変え合わせることにより新しい発想が生まれる。例えば左側:高密度、高精度、高効率、小型、高放熱性右側:コイル、空芯コイル、ボビン巻コイル、成形コイル これらから、①高密度コイル、②高密度ボビン巻コイル、③高精度封止コイル等の新しい発想が生まれたというようなことか?

16、仮説をもとに質問をする

 質問をする時は、自分なりの『仮設』を持って質問をする。 「何々が原因だと思うが、どう解決したらよいか?」というような質問になる。 「○○について教えてください」はNG  また、混乱しているときに質問は「今、一番困っていることを、一つだけ教えてください」という質問が効果的。結局、相手の人の頭の中を整理して上げるということかと思います。

17、人脈マインドマップ  

 良く会う人の名刺を真ん中に、時々会う人は外側に貼って行き、自分の人脈マップを作ってみると、自分を取り巻く人との距離感やコミュニケーションの密度が一目で分かる。細いつながりの人との関係をとぎれさせないように、外側にいる人こそ積極的に連絡を取るように心がける。新しい人脈を新たに作るよりも、今までにあったことのある人とのつながりを見直した方がより人脈の強化につながる。

18、二分割安眠法   

「二分割法」とは、「今の自分にできることと、できないことを分けること」  人が悩んで眠れないような時は、殆どが「未解決問題」を抱えていることに原因があり、この未解決問題の中で、今すぐにできるものと、時間がかかるものと分け、今すぐできることをその場で実行すると、気持ちが落ち着き、眠れるようになる。

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