会長の部屋:2018年ものづくり大賞NAGANO グランプリ受賞-

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「2018年長野県ものづくり大賞 グランプリは・・・・・」

「株式会社・・・・」
 そして
「セ・ル・コ」
・・・と続いた。
 まさかのグランプリ受賞・・・であった。
 今年6月に長野県 佐久地域振興局商工観光課 課長補佐兼工業係長 足立 昌洋氏が当社に来社され、この「ものづくり大賞」に応募をするための打ち合わせをした。
 原稿としては、昨年のものづくり補助金を貰う時の申請書があったため、さほど時間はかからなかったし、足立氏が必要事項、要点等の体裁は全て整えて戴いたため、私としてはさほどこの賞についての「努力感」が無く、9月に「ものづくり大賞」の三社に選ばれたと聞いた時もさほど感激もなかったし、その内の一社が先週講演に行った飯島町の南信精機さんと知り、当社はその南信精機さんにはとてもかなわないと思っていたため、「グランプリは無理!」と最初から思い込んでいた。
 南信精機さんは、先日の講演でも話したが、我々中小企業がこれから向かうべき姿を既に実現している私にとっては“あこがれの姿”であり、はっきり言ってその”格“が違う。
 私はこれまでもブログや本で主張してきたが、まず大企業はモノ造りを日本ですべき、そして日本の中小零細が造った部品を使う、そしてその中小零細は自分の持つ特殊技術を機械屋さんとかでは無くできれば自社でノウハウを蓄積、自動化し、世界のどこよりも安くて高品質の”メイド・イン・ジャパンの部品“を造る・・・そして海外は海外でこれも自動化対応し、日本のマザー工場での改善改革された自動化ノウハウをそのまま移行して対応すべし・・・・。
 これを全てやってのけているのがこの南信精機という会社であり、片桐社長なのだ。
 そんなことで、私は端からこの”グランプリ”は諦めていた。
 未だ他の企業であれば、結構期待したかもしれないが、この南信精機さんには勝てないと思っていた。
そしてまたこの日は年に一度の「いとこ会」開催の日で、今年は白馬のロッジホテル「シェラリーゾート白馬」に行くことになっており、出来ればタイから帰ってきている兄と一緒に行こうと思っていたし、早く従妹の人達とも会いたかった。
 また前日まで大連で結構ハードなスケジュールをこなしてその夜帰ってきており、一週間の締めくくりの日は、できれば朝礼だけでも顔を出しておきたかった。
 ところが9時半までに長野の会場に展示品を準備するようにと案内書に書いてあることを大連で知り、展示品となるコイルを用意して置いてもらい、朝7時にこれを取りに会社に行き、女房と共に「いとこ会」参加の準備をし、いそいそと長野の冬季オリンピック競技の会場だったビッグハットへ向かった。
結構長野市内は朝の出勤渋滞でノロノロ運転だったが9時20分頃には会場に着き、展示品を並べ、どうにか体裁を整えた。
 ・・・と云うことで、私の頭の中は、10時から12時までというこのセレモニーを早く終えて、白馬に向かい、途中信州新町で久しぶりに有名なマトンの焼肉を食べて白馬に向かうというゴールデンスケジュールで満たされていたのであった。
ところが、この突然のグランプリ受賞である。

 受賞の可能性があれば、事前に気の利いた言葉でも用意しておいたが、余りの突然なことで気持ちの整理も付かず、信越放送=SBCの美人アナウンサーからの質問にも、おざなりのことしか答えられなかった。
 しかもこのアナウンサーから突然「おやじバンド」の件を持ち出されてこれまた困惑した。
受賞して表彰状、盾、そしてトロフィーを貰った。
 このトロフィーはガラスの巨大なビー玉の長細いようなトロフィーであり、この結構重いトロフィ―を持って何度も写真撮影に応じた。
 その他、長野県工業技術総合センターの北沢さん等から受賞のお祝いの言葉を戴いた。
未だ私がセルコの社長なって間もないころ、マイクロストーン社の白鳥社長から、これからの中小は開発とか研究をしなければだめだ・・・と言われ、当時の工業試験場とか信州大学工学部にお願いし、コラボで新規開発品の開発をしたりしたことを思い出した。
 その頃のセルコと比べれば、今はまあどうにか格好は着いた会社にはなっている。
今回の受賞も、対象が「高密度圧縮成形コイル」という当社がこれまでのナイーブなコイルの常識を打ち破り、コイルを圧縮したり、曲げたり、一体モールドしたりする技術をこの10数年確立してきたが、業界ではこの技術は、被膜をキズつけるのではないか?という”危ない技術“と思われていたようで、なかなか採用されなかったが、今や、この技術を使って他社との差別化を計り飛躍し始めている会社が複数出始めており、私はこれから様々な場面でこのコイルが使われると思っている。
「高密度コイル」という言葉も、私が10数年前に言い出した言葉であるが、ネットを見るとあっちこっちで使われている。
 ただ当社の高密度コイルの定義は、占積率90%以上=すなわち丸線を使ったコイルを圧縮したモノを指すが、一般的には「きちっと巻かれているコイル」を指しており、多少意味合いは違っているが・・・・。
 又今回はその圧縮の特許技術を更に進化させ、プラスチック成型と同じようにコイルを希望の形、寸法に成型してしまおう・・・という全く常識破りのコイル技術であり、これまでは考えられないような画期的な技術である。
 これが今回受賞の理由・・・と云うことになれば、セルコが特化してきたこの技術が、世の中に認知された・・・と云うことになるのかも知れない。
いよいよ「高密度コイルのセルコ」の時代が始まる・・・と云うことになる。

 後、長野県産業労働部産業政策課の課長さんと主事の方がお二人名刺交換しながらご挨拶したが、恐らくこの方達が、佐久の商工課の足立さん等と共にセルコグランプリの受賞を強く推してくださったのであろうと想像する。
感謝‼感謝‼である。

 会場には何故か当社の監査役、太陽光発電のサンジュニアの西原会長が居た。
この授賞式と共に会場では「産業フェアin信州」という展示会が26,27日と2日間開かれており、商品の展示に来ているとのことであったが知らない人達ばかりの会場で会えてとても心強かった。
 西原さんからはいつもの調子で「賞金は無いのか?」・・・と聴かれたが、そういえば残念ながら賞金は無かった。同時に経理部長の顔が思い浮かんだ。
 テレビ局、新聞社のインタビューも受けた。
 そういえば、昔はテレビ、新聞の取材はしょっちゅうあり、取材慣れしてポンポンと受け答えしていたりしたが最近では珍しい。

 結局、展示品は1時まで展示して置くように・・・とのことで、まさかグランプリの会社がその前に撤収もできないため、西原さんの提案で、会場の食品の展示場での試食品を食べ歩いて昼の代わりにしようとしたが、結局それでは物足りず、おにぎり一個とお茶を買って、信州新町のマトンは諦めた。

 一時きっかりに展示品の撤収をしたが、それでも受賞企業とエクセレンス認定企業の10数社の中で一番早い撤収となった。

 私以上に驚いた女房と会場を後にし、白馬のホテルへ向かった。
会社や友人へは、メールやラインでできるだけ受賞の連絡をした。
いとこ会へは女房が「いとこ会グループメール」で送ってあり、ホテルで会うとみなさんから「おめでとう!」の嵐となった。
 ゴルフのホールインワンよろしく、その日の飲み物は私のおごりとなった。

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