この26日が株主総会で、この日を持って、私は会長となり、長男の靖知(のぶとも)が社長に就任する。
私は代表権を持った会長となる。
良く、自分が身を引き時はきれいに居なくなれ・・というが、私の社長交代は、そういう種の交代ではない。
基本的には全くほぼ今まで通りの状態で行こうと思っている。
勿論、息子には「社長」としての自覚と、責任は持ってもらう。
そして、出来るところから、私は手を引いて行くつもりだが、しばらく「見習い社長」をやってもらい、当分二人三脚で行ければ・・と思う。
私にはまだまだやらなければならないことがある。
一つは、私の生涯の夢、「セルコを理想の会社にすること」であり、これも着手してから約1年半、いよいよどうにかなりそうな雰囲気が出てきた。
これは、私が総経理をしている中国大連では、かなり理想に近い会社になっている。
こちらは、副総経理に私の考え、やり方を教え込んだだけで、私は3,4ケ月に一度くらい行っていただけで、かなり良い状態になった。
今回当社も、コロナで大分受注に影響が出てきたが、この大連で手掛けているコイルの一つが、たまたま人工呼吸器用のコイルだったため、2月以降、倍々で受注数量が増え、通常ではギブアップするような状態であった。
しかし、この工場は決して「できない」とは言わない。
コロナで大騒ぎだった春節後、どうなるか?と思っていたが、コロナの影響で二人だけ2週間来られなかったが、後の人達は、バスも電車もタクシーも止まってしまった状態の中、乗用車で通う社員が、それぞれの家に送り向かいし、全員で、残業、休出し、また女子は全員、そのコイルを持ち帰り、家でカットの内職をして翌朝会社に持ってくるようなことをしながら、倍々となって行くオーダーをこなし続けた。
当時18名だった人員も、今はアルバイト含め31名で、2月から今まで3ケ月、たった一日だけ休みを取っただけだ。
朝は、始業の15分前に私が工場へ行くと、きちっと掃除がしてあり、全員が机に座って仕事の準備をしたり、既に仕事を始めたりしている人もいる。
「握手会」といって、セルコで毎日音楽をかけて一人一人と握手して回る(今はできないが・・)のだが、これをこの大連でも私が行った時はやると、みんな恥ずかしそうだが、とても良い笑顔で対応してくれる。そして今日はみんなでご飯を食べに行こう・・というと、全員が揃って参加する。
それも、飲み会や食事会の時の皆さん表情を見ていると、皆楽しそうで和気あいあいで、私が唱える「社員は家族だ!」という雰囲気がこの大連には既にある。
話は大分飛んだが、この本体のセルコも、そのような雰囲気の会社で、またそれぞれの担当者のスキルが抜群の会社になれば・・最高だと思ってる。
その二は、「高密度圧縮・成型コイル」の拡販というよりは、一般化だ。
私は「進化論」は、ただ生物の専売特許ではないと思っている。
この世の中の産業や鉱工業も、どんどん進化する。
モーターは?というと、戦後殆ど進化して来なかった。
しかし昨今のEV化の波に乗って、ようやくモーターの効率化ということに、まず車の会社が気付き始め、モーターも進化するということを世の中がすこしずつ気が付き始めた。
モーターの効率化には、コア、磁石そしてコイルの進化が必要だ。
コイルの進化は・・・と云ったら、色んなアプローチはあるが、セルコの高密度圧縮コイルが最適だ。
今は、結構平角線に目を向けているが、私は最終的には当社の丸線を圧縮し成形までする技術が世界を制するだろうと思っている。
そのブレイクする日がいつか?が問題なのだが、これは私が未だ現役で頑張っているうちか?引退後か?それともいなくなった後か?
できれば、私が未だ現役のうちにブレイクさせたというのが私のもう一つの大きな「やらなければならない」ことだ。
私は今、セルコ50周年に向け本を書いている。
仮題は「会社とは 仕事とは 人生とは」である。
私の3回の会社遍歴。
その3社での仕事。特にセルコでの仕事と社長になってからの仕事。
そして、私の人生、幼少期、青年期、熟年期、そして現在。
・・・これは私の会社、仕事そして人生の集大成となる本になる。
最近、ブログはあまり書かないが、こちらの本に集中しているからだ。
本が書きあがったら、また今度は「会長の部屋」としてまた、皆さんに色々と発信して行きたいと思う。