5年前の今日、この長野県小諸も結構揺れた。
私は浅間山の噴火を心配し、即二階の食堂に上がって浅間山を見たが、何もない。
そこで即、テレビを点けた。
そのテレビ画面にビックリした。
仙台の海寄りを飛んでいるヘリコプターからの実況中継であった。
川があるのが分かるが、良く見るとその川の向こう側から田んぼや道の上を大きな波がこちらに向かって来るのだ。
手前には道路があり、その道路は普通に車が走っている。橋の上には、人が車を降り、その押し寄せてくる波を見ている様子だ。
ほんの数十秒でその波はその道まで到達した。
「あっ!飲み込まれた!」と思った瞬間、そのヘリコプターのカメラは他の方向にパンをしてしまったから、その車や人が波に飲み込まれたのか?否か?は定かではない。
後から、あの津波の凄まじさは色んなビデオ映像を見たが、この実況生映像は私にとっては、メチャリアルな映像として私の脳裏に焼き付いている。
最終的に死者1万5894人、不明者2562人という犠牲者を出したこの大震災。
この時は、日本国中がこの未曽有の大惨事に心を痛め、救援に駆けつける人、救援物資を送る人、寄付をする人・・・とバラバラに思えた国民の心が一つにまとまった。
日本だけではない。海外からも様々な援助が来た。
あれから5年
復活は?復興は?
・・・と問うと、かなりの疑問点が残る。
未だに避難者が17万人超、仮設住宅居住者が6万人超、という数字は5年後にしては本当に本腰を入れて復興に取り組んだのか?と疑いたくなるような数字だ。
これまでに復興に要した費用は29兆3946億円、義援金3775億円だという。
これらのお金は、一体どこにどう使われたのだろうか?
私は税金は必要であれば、何パーセント何十パーセントでも払うべきだと思う。
しかし、そのお金が使うべきところではなく、最終的に裏政治資金となったり、官僚の天下り先などの様々な利権の資金になったりするのであれば、一銭も払いたくない。
世界中からの心温まる援助金や、大事な税金が本当に復興のために使われたかどうか?
使い方の順序や方法に問題がなかったか? こういうことを誰が検証したり、証明したりするのだろうか?
私はあの震災の時これは大変な事態ではあるが、逆に日本復活の大チャンスではないか?とも思った。
原発事故も起き、自然エネルギー活用が必須と思われたこともあり、私はこの復興を日本の技術の粋を集めた理想的なエコ住宅、エコタウンを造り、これを世界にPRしたら高密度住宅をはじめ、家電製品、家具調度品、そして太陽光、風力、地熱等を用いた自然エネルギー技術、蓄電技術等を世界にアピールできる大きなチャンスであり、何よりも被災した人達=親や兄弟や子供を亡くし、家を失い意気消沈している人達に世界で一番優れて快適な住宅を与えあるいは貸し出すことにより、生きていて良かった・・・と思ってもらうことが必要ではなかったか・・・と思うのだ。
確か、あの時そのような話が色々出ていたかと思ったのだが、結局は、未だに仮設住宅と言う話を聴くと、がっくりしてしまう。
また、福島原発も今だに処理が進んでおらず、今頃になって即メルトダウンが起きていた・・などと発表しているが、そんな状態の中で、原発再稼働をし始めているという事実は、この国が本当に先進国と呼べるのか?心配になってきた。
二酸化炭素で地球温暖化とは言うが、原発の放射性物質の害は比べられるようなレベルではない。
中国北京はスモッグ被害がひどいが、まだ皆さんマスクをしながら生活をしている。福島の原発事故周辺は5年経っても帰る目処が立たない。
ここは、本当の人間の知恵=叡智を発揮する時だ。
誰が考えても二酸化炭素も出さず、放射性物質も出さずに電気を起こす再生可能エネルギー=自然エネルギーに一日も早く切り替えることを考えるのが当たり前のことだ。
そう云うと、「すぐには変えられない」という答えがすぐ出てくるが、特に日本の場合は儲かると思えば、即、大会社も中堅も小・零細企業もこぞって金を出し、知恵を出し、様々な技術を生み出したりしながら、20年が10年、10年が5年で、ある程度の規模のインフラを整えてしまうだろう。
現に太陽光発電は、造りすぎだと言って今は政府も電力会社も止めに入っている。
私は、エネルギー問題は地消地産方式にすべきだと思っている。
その地方その地方毎に、太陽光、風力、地熱等の自然エネルギーを駆使し、自分の地域の電力は自分で賄うようにすれば送電線の問題もなくなり、地方地方で、電気の安いところ、ちょっと高いところと色々にはなるかと思うが、最も効率が良いのではないか?と思う。
一番厄介なのは、東京をはじめとする都会だ。
原発が本当に安全安心だということであれば、都会のド真ん中に原発を1,2基置き、電力を賄い、その周りに原発を動かしたい役人とか政治家が江戸時代の譜代大名のように原発を取り囲んで住むというアイデアはいかがであろう。(ブラックユーモア?)
3.11の教訓は、いくら人間が優れているからと言っても、大自然には絶対にかなわない・・・ということだと思う。
我々はこの大きな災害にもっともっと深く学ばなければならない。