会長の部屋:久しぶりの講演-

 久しぶりの講演だった。

 今回は、私の新しい著書「2020年東京五輪開催の年にメイド・イン・ジャパンが復活する」という本の内容を初めて講演した。

 今回は、以前当社の近くの支店長だった上田信用金庫の金森専務理事が昨年、当社に見えられた際、私の「メイド・イン・ジャパン」論に興味を持たれ、今回、上田市の「上田信金塩田支店」さんの30周年の記念式典での私の講演であった。

 この上田市の塩田というところは、実は私の生まれた場所であり、そのことを告げると50名程の参加者の方々の雰囲気が少し和らいだ様子。

 今回は、1時間ということもあり、いつものNHKの親父バンドのビデオでの会社紹介は無しにして、当社の高密度コイルの写真と現物で、どのようなモノを造っている会社かを知って戴いた。

 話の内容は、下記の通り。

1、なぜ、国内回帰か?

中国,東南アジアの賃金が高騰し、企業は”中国プラスワン“と云うミャンマー、バングラディッシュ、ラオス等の新・新興国進出を進めつつあるが、新・新興国もインフラの問題もあり、多くの企業が群がれば、たちまち賃金は高騰する。正にイタチゴッコであり、早急に日本へ戻すべきだ。

2、なぜ中小零細企業なのか?

20数年前のバブル崩壊後、日本の大手メーカーはこぞって中国、東南アジアに生産拠点を移し、国内は空洞化が進み、中小零細製造業は見捨てられたと同時に、”メイド・イン・ジャパン“製品が無くなってしまった。

それはなぜかというと、“部品の精度”が違ってしまったからである。

我々中小零細のモノ造りは、とにかく常に公差のど真ん中を狙ったモノ造りをする。この高精度な部品を集めたモノが”メイド・イン・ジャパン”と呼ばれるものであった。

この20年余りの間に、日本の1/3の中小零細製造業が消えてしまった。

3、なぜ、大メーカーの部品造りではダメなのか?

大メーカーは中国・東南アジアで、これまで日本で調達していたような精度はなかなか出せない。結局、多少精度が落ちても問題ないと思っていた部品造りは、メイド・イン・ジャパンを失わせ、結果的に”壊れやすい“製品を世の中に提供し、韓国、中国との極端な価格戦争に陥った。

4、なぜ、組み立ては自動、部品は中小零細か?

国内の大メーカーと中小零細の賃金格差は非常に大きく、新興国と大企業の賃金格差は、永遠に縮まりそうにないため、大企業は国内では、自動化。ロボット化すべきであり、部品は海外から調達せず、日本の精度のよい中小零細の部品を使うことがポイントトなる。

また、中小零細も自動化・ロボット化を考えるべき。

京セラ、TDK、村田製作所、アルプス電気、ローム、太陽誘電、日本電産等のスマホの主要部品の生産は、国内にて、オール自動化で精度よく、大量に、高速で製作している。

食品会社の自動化(テレビ朝日「シルシルミシル」の自動化)を想像して戴きたい。

5、なぜ、日本のモノ造りはすごいのか?

島国で、農耕民族の歴史が、コツコツコツコツの精神≒文化を生み出し、これがDNAとして我々に日本人の心に沁み込んでいる。

これは、他の国が逆さになっても追いつけない、日本人特有の特性なのである。

6、なぜ、中国人は”メイド・イン・ジャパン“を欲しがるのか?

中国人の〝いい加減さ“は中国人自身が一番知っており、中国人は富裕層のみならず、一般の人達が純日本製=”メイド・イン・ジャパン”を欲しがる。

7、最終的に、日本は世界の中枢技術を席巻する。

かつて日本は、“モノ真似技術”、”応用技術“はお得意だが、”基礎技術“、”開発技術“は苦手と言われてきたが、最近では”IPS細胞“、”炭素繊維“、”カーボンナノチューブ“、”イプシロンロケット“、”小柴昌俊教授の宇宙ニュートリノの検出”、”三菱電機、NEC、AXAが協同開発した±1cmのGPS“等々の基礎技術、開発技術が続々生まれてきており、このまま進めば、日本は世界の中枢技術を席巻する。

日本は、軍事大国ではなく、技術大国を目指すべき!

8、メイド・イン・ジャパンは必ず復活する。

新興国の賃金は、遅かれ早かれ日本に追いつく。海外で生産するメリットは薄れ、地産地消、あるいは全自動による圧倒的有利な生産体制を持った国が、全世界に供給するようになる。

日本は、その方向を目指すべきであるが、間違いなく、時間の経過と共に日本にモノ造りが帰って来て、”メイド・イン・ジャパン“が復活する。

 私の言いたいのは、何かと自信を失いがちなこの日本という国ではあるが、日本人は世界の中でも、大変特殊な民族であり、これほど、人への気遣い、気配り、心遣いができる国民はいない、正に「おもてなし」の国であり、人と人との信頼感、一つところでコツコツと働く勤勉さ、まじめさが、こと”モノ造り“にとっては最高の要素であり、世界の中で日本程、”モノ造り“に適した国は無く、国民はいない。

 ・・・と言うことで、これまで中国だ、東南アジアに目を向きがちだったが、これからの日本はこの”モノ造り“を前面に打ち出し、国内でできるだけモノ造りをすべきである・・・と言うことを説いた本であり、講演なのである。

 このレジメの内容は、今回の本「2020年東京五輪の年にメイド・イン・ジャパンが復活する(上巻)」の目次と解説であり、詳しくは本を読んで戴きたいが、会場では出版者だけが買える出版本を8冊持って行ったら完売になり、もっとないか?と言われた位好評であった。

 先般、日経新聞に「東南アジアの賃金高騰に関する記事」(私が言う〝イタチゴッコ”のことが書かれていた)と「キヤノンの国内回帰の記事」(国内で全自動化すること)が立て続けて出た。

 私の書くブログや本は、世の中の様々な事象を私自身の実体験に基づく理論、そしてそれら全てを踏まえた上での私の感覚で、捉え、整理し、次に起こるであろうことを予測したことを書くため、結構面白い。

この講演会でも、ある方が、5年ほど前に私の書いた本「立ち上がれ中小零細企業」に書かれていたことが、今、結構現実となっていることが多いと指摘された人がいたが、会社的にも、10年前に「これだ!」と思っていた「高密度コイル」が、最近ようやく世の中で注目され始めてきたことなども、その間、リーマンショック、大震災で私の予想よりも4~5年遅れてしまってはいるが、その方向は間違いなかったかと思う。

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