会長の部屋:蓄電技術の革新-

日本は太陽光発電や風力発電等の自然エネルギーをドンドン使ってエネルギーの自活を早くすべきだ・・・と言うのが私の持論だ。

しかし、政府は太陽光の電気の買い取り価格の大盤振る舞いをした結果、この2年余りで設備認定が約7200万KWとなり、その多くが太陽光発電であり、実にその合計は原発72基分の電力量になり、慌てた政府は、急遽この認定に規制をかけた。

今後認定の太陽光の事業用電力買取価格は29円と3円下げ、更に7月からは27円にするとのことで、最初の36円から3年目で大幅な値下げとなり、太陽光発電ブームに水を差している。

その規制の元となっている「電力過剰理由」が、今現存する原発を全て稼働させた上の試算だというから、あきれてしまう。

またそのもう一つの理由に、太陽光は昼間だけしか発電しないため、非常に不安定な電源である・・と云うものだった。

ところが、私がいつも唱える「技術はドンドン発展し続ける。その時点でこれはダメだと決めつけてはいけない」という論理の通り、技術は日進月歩で発展し続ける。

最近の蓄電技術の開発状況を見てみよう。

「住友電工、大容量「レドックスフロー電池」を研究・量産」

『テーマパークのユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市此花区)にほど近い住友電工の大阪製作所。同社はここをレドックスフロー電池の研究開発と量産の拠点に位置づけた。この電池はバナジウムの電解液をポンプで循環させて充放電する仕組みで、発火の心配がなく安全性が高い。電解液や電極は耐久性があり、リチウムイオン電池やナトリウム硫黄(NAS)電池より長持ちするのも特長だ。』

『同社はまず北海道電力の変電所に蓄電容量6万キロワット時という世界最大のレドックスフロー電池を設置し、風力と太陽光発電の電力をいったんためて電力系統に送る実証実験を2015年度から始める。』・・とのこと。

蓄電池の世界市場は2020年までに20兆円に達するということだから、このような技術は今後大いに新産業として発展し続けることだろう。

 また、トヨタが夢の水素自動車「ミライ」を売り出した。

 トヨタはこの水素自動車の特許を全て公開し、水素社会を構築しようとしているかのようだ。

 水素というエネルギーは、持ち運びが非常に便利である。

 太陽光でも風力でも、そこで起こした電気を使い一旦水素にしておいておけば、そのまま気体とか液体にして持ち運びが可能で、必要なところで必要なタイミングで電気として使うことができるため、違った意味の蓄電技術ということができるかと思う。

また最近「東芝、水素使い電力貯蔵 設置費用は蓄電池の半分」という記事が日経に載った。

『東芝は水素を使い電力を大量貯蔵するシステムを2020年にも実用化する。水を電気分解していったん水素にし、必要に応じ燃料電池で酸素と反応させ電気として取り出す技術にめどをつけた。既存の蓄電池に比べ電力を長期に大量保管しやすく、設置・運用費は半減できる』という。再生可能エネルギーの

発電事業者や自治体などにとって蓄電方式の選択肢が広がりそうだ。

 そして、パナソニックは「人工光合成」を用い、太陽光と二酸化炭素(CO2)からアルコールや水素を造る技術を開発し、

これは日本のエネルギー戦略を変えるかもしれない技術と言われている。

 正に日進月歩であり、これから色んな会社から色んな技術が生まれて来るかと思う。

 日本は、原発を使いだした40年前に、自然エネルギーへの転換政策をとっていたら、今頃日本は「自然エネルギー大国」となって様々な技術を世界に向けて発信し続けていたかと思う。

 年間30兆円近い石油の輸入も殆ど必要なくなり、CO2の削減目標も簡単にクリアーできていたはずだ。

 勿論福島の事故も無かった。

 政府の採る方針がいかに国の方向を決定するかが良く分かる事例かと思う。

 政府も日本国民も、信じなければならないのは、自分の国の「革新技術」であり「モノ造り文化」なのである。

拙書「立ち上げれ中小零細企業」、「2020年東京五輪の年にメイド・イン・ジャパンが復活する」参照

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