先般、日経ビジネスに「サイレントチェンジの恐怖」という記事が載った。
電機などの大手セットメーカーが取引き先のメーカーによって許可なく、いつの間にか材料の組成を変えられ、事故を引き起こす・・・と云う恐怖である。
記事には、ジュピターテレコムという会社が2014年4月にリコールを始めたケーブルモデムの付属ACアダプターであり、台湾メーカーに製造させたもの・・と云う例と他の例もいくつか載っていた。
当然造るのは中国である。
私がいつも云うのがこのことである。
中国人は「商人」、日本人は「職人」。中国でははっきり言って、日本人の様に馬鹿ッ正直に指定された高い材料や部品を使って造る、あるいは決められた手順を守って造り続けているのは「バカ」か「まぬけ」の「お人よし」なのである。相手にいかに分からないようにごまかしたり、手を抜いたりできるかが”腕”の見せどころなのである。
最近では、確かに韓国、中国、台湾メーカーも十分力を付けてきて、問題のないメーカーも出てきていることも確かではあるが、基本的には「商人」なのであり私が常々言うように、本質的な意味において、日本と他の国との”モノ造り力”の差は計り知れないほどの差があるのである。
中国、東南アジアの賃金が上がり出し、段々日本に追いついてきて、円安も長引いてきたため、普通ならばメーカーは日本回帰すべきところであるが、なかなか戻らない。
本当に”良いモノ”を造るのであれば、日本で造ったらいいかと思う。逆に言うと”本当に良いモノ”は日本で造るしかない。いわゆる”メイド・イン・ジャパン”と云われるモノだ。またその”メイド・イン・ジャパン”を造るための一番の秘訣は、日本の中小零細製造業を活用することである。
日本の中小零細の”凄さ”が正に”メイド・イン・ジャパン”を造りだす一番の”コア”であり”本質”なのである。ここが、私がいくら叫んでも、政府もメーカーも理解できないため、正に”日本の悲劇”であり、日本が今、世界の中でその地位を落としつつある一番の問題なのである。
今、松下幸之助さん、本田宗一郎さん、盛田昭夫さん、井深大さん等が生きておられたら、こんな状態になってしまった日本を本当に嘆くことだろう。
詳しくは拙書「2020年東京オリンピックの年に”メイド・イン・ジャパ”が復活する」~中小零細製造業の活用でメイドイン・ジャパンが大復活するをお読みください。(電子出版です)