会長の部屋:東洋ゴムは日本の企業?-

 東洋ゴムの耐震性能為装問題は、私が唱える”モノ造り国家=日本”にとって大変重用且つ深刻な問題である。

 日本のモノ造りの特徴を一言で言えば、「真面目で正直、みんなで仲良くコツコツと・・・」
ということになるが、その内容については良くは分からないが、顧客に対してウソを言って売っていた・・と云う事実は、我々”まじめで律義で正直な”日本人にとっては大変ショックな出来事である。
 これまでこう云う問題は、中国や韓国の「お家芸」的なイメージだったのが、まさか日本の一流メーカーで起きたということに大きなショックを受けた。
 この会社はネットによると過去にも問題を起こしているから、会社の体質の問題ということになりそうだ。
会社側は「担当者が・・・」と一所懸命一人の社員に全て押し付けようとしているが、会社・・それも大企業になると絶対にそれはあり得ない。あり得るとすれば、個人的に何かしらの”見返り”がある場合であるが、今回は業者に対して云々という話ではないため、それもあり得ない。
 
 誰しも自分の身は自分で守ろうとする。
 大企業で働く殆どの人はサラリーマンだ。
 最近では社長もサラリーマンが多い。
 サラリーマンの一番の護身は「報告」であり「承認」である。
 問題が発生すると必ず「責任問題」が浮上する。
 その時に、もし個人が誰にも言わずに全て自分だけでやった・・と云うことになると、その人は完璧にその責任を問われることになる。
 だから、問題の多寡にもよるが、担当は主任とか係長に、係長は課長に、課長は部長に、部長は管轄の取締役に、取締役は社長に報告を上げ、承認のお墨付きをもらっておく必要がある。
 部課長制、稟議制度、取締役会の審議・承認・・・どれも個人に全ての責任が行かないようにする、いわゆる「みんなで渡れば怖くない」方式の日本特有の制度である。
 役員会での多数決で決まれば、それがもしも頓挫しても社長には責任が行かない。
 当然提案した取締役の責任が一番重いことは間違いないが、責任を取って懲罰対象にはまずならない。
 社長を始め、他の多くの役員が賛成しているからである。
 
 ちょっと長くなったが、このような日本のサラリーマン社会の仕組みを知れば、今回のような完全に犯罪となるようなことを一担当者が全て独断で実行するというようなことはあり得ない。
 これは会社側がいくら釈明をしようが、会社ぐるみ・・と云うしかない。
 ただし、もし発覚した場合は、その担当者一人の責任にすることは決まっていたということはあり得る。
 その場合は、結局、会社がその人がその後どんなことになろうが会社がその人の面倒は見るという約束があるということだ。

 この日本で、このような問題が起きると、私が唱える「メイド・イン・ジャパン構想」はなんだかわからないモノになってしまう。
 私は、日本という国は、細かいところまでうるさく「過剰品質」だとか、「ガラパコス」でそんなもの他の国じゃー全然必要ないよ・・とか言われるようなモノ造りこそが必要なのだと思っている。
「真面目で、馬鹿正直、商売下手」の日本人だからこそ、きちっとしたモノ造りに一番適した国民なのである。

 ここで私の「大予言」を一つしておきたい。
 これからその速度は分からないが、日本の様々なモノが海外で評価され、最終的には日本のモノはいい、最高だというジャパンブランドがもてはやされると思う。
 既に、日本の「食」はあちこちでブレイクしているし、日本のコンビニや外食産業も頑張っている。
 アニメやマンガ、キャリーパミュパミュのようなテクノポップ等は熱狂的なファンが世界中に居る。
 日本の食文化「旨み」はフランスの3つ星、4つ星レストランで使い出したというから食文化も日本がこれから世界を席巻して行きそうである。
 変わり種では、日本のハイテクを駆使した家が評価され出したとか、日本刀の技術の流れを継ぐ包丁なども専門家の間ではメチャ好評だ。
 また日本に観光に来ると、日本人のやさしさ、親切さ、おもてなしの心に何とも言えない魅力を感じる外国人も多い。
 私は、これから「こんなものまで・・・」と言われるようなものまで出て行くようになり、最後は日本の文化そのものとか、自然を愛し、平和を愛する心そのものまで世界に広がって行くような気がする。
 しかし今の政権は、そのまったく逆の方向を取ろうとしており、自然破壊の頂点である原子力とか軍隊とかを増強しようとしている。
 日本と言う素晴らしく「美しい国」をもっと良く知り、自国の最も良いモノを世界にアピールし、それを経済に結び付けることにより、日本は世界の精神的リーダーになることさえ可能だと思う。
 先般亡くなったシンガポールの元首相リー・クアンユー氏の様に、あの小さな国で、何の資源もない国をあのような世界でも冠たる国にしてしまうような政治家がこの国には大いに望まれる。
 日本の国は、シンガポールの何十倍もの人的資源と、文化と歴史がある。
 素晴らしい指導者が現れれば、間違いなく日本は精神的には勿論、経済的にも世界のリーダーになれるのである。

株式会社セルコ

〒384-0808 長野県小諸市大字御影新田2130-1


TEL (0267)23-3322 FAX (0267)23-2233

株式会社セルコへのお問い合わせはお気軽に

お問い合わせ