今年でこの会社も45年目を迎える。
会社の寿命は30年と云われるが、本当に30年前にこの会社は一度奈落の底まで落ちた。
この記述は、ある冊子に掲載された文章を基にしてリメイクしたものだ。
<15年前が新創業>
今年で創業45年目のセルコは15年前、それまでに最高 18億円/年、直前10億円/年だった売上高が突然、3000万円/月まで落ち込み、最高120名3工場だったのを1工場13名までリストラし、その時に私小林が社長に就任した。
しかし、私はそれまでの下請時代の流れで「仕事は待っていれば必ず来るもの」と思い込み1年近く待つも全く仕事が来ず、逆にそれまであった仕事も減って行き、結局600~700万円/月レベルになってしまった。
正に会社存亡の崖っぷちに立った私は、とにかく仕事を取ることだと考え、それまでは全く無かった営業の必要性を感じ「どんな仕事でもいいからとにかく取ろう!」と決意し、慣れない営業を始めた。
結局、まとまった仕事は無く、試作、開発品を中心とした「人がやらない、人ができないモノ」「少量多品種のこまごましたモノ」が中心となったが少しずつ仕事が入ってきた。
その後、生き残りのため無我夢中で受けてやり続けていたコイル製造の中で「高密度コイル」という、それまでには無かった超精密なコイル技術が生まれた。
この技術は、その後半導体の露光装置用ステッパー、そしてマウンター、ロボット、搬送装置等のリニアーモーター、超精密機械のモーター、各種超精密センサー等にも使われ始め、今、ようやく以前の1社依存の下請ではなく複数のメーカーの開発から量産を請け負い、この平成27年度の期末には6億7千万円/年、今年度第46期、平成28年度には以前の売上高10億円/年に届く勢いの売上高を目指すまでになった。
<セルコの社名の元となっているセルフコントロールを全面に出した組織で小さな高収益会社を実現!>
私は、社名の元となっている「セルフコントロール」の会社をめざし、組織とか職階とかではなく、真に仕事を自主的にやる意欲のある人、できる人を前面に出して実際の業務を推進すべきだと考えている。
今回は特に33歳の自分の息子を中心とした30歳代の若手を中心に各得意先毎のグループを形成し、各グループがそれぞれ目標を立て、最大利益を競うというシステムを考え推進している。
私は「人には無限の能力がある。」「当社にたまたま入ったかも知れないが、社員の中で伸びる人間は天井知らずに伸ばしてやりたい」と思っている。
セルコは今、タイと中国大連が主な生産場所である。
このタイと中国での生産も、日本での生産のノウハウを活かし、現地で陥りがちな低品質体質と異なり、海外では考えられないような高品質の生産を維持し続けている。
今後も会社としてはファブレス的な方向をめざし、日本では営業と技術に特化して行くが、メーカーの国内回帰に対しては国内自動化で対応し、できれば世界に向け大量にして高品質なコイルを、低価格で提供しながら「小さな高収益会社」を目指したい。