今回は、大連の工場経由で、先般ドジってチケットの二度買いとなった珠海の材料メーカーへ行った。
計画としては、タイのTITの会長と香港のフェリー乗り場で落合い、一緒に珠海の九州港まで行き、そこで材料メーカーさんに迎えに来てもらう予定だった。
前回は、マカオ経由ということでフェリーの心配は無かったが、イミグレが何故か3度もあり、迎えに来てくれる人が大変なため、今回はオーソドックスに香港経由で行くことにした。
大連=マカオのチケットが割高であったということもあった。
私は、基本が”ケチ”であり、航空便とかホテルは安ければ安いほどいいと思っているため、とにかく須らく「安く、安く」なのである。
今回はタイのTIT会長=私の兄と待ち合わせの時間とフェリーの時間が問題であった。
私の兄は3時半着でタイから来ている。
私は大連1時頃発で4時25分着の便である。
これまでの体験から、中国国内便できちっと定刻通りに飛び立ったことは殆ど無いため、恐らく遅れるだろうと、綿密な連絡網を敷いて、私の便が遅れた場合は、大連から香港に降り立った兄に連絡が行くようになっていたし、フェリーに迎えに来る材料メーカーさんの方にも兄から連絡が取れるようになっていた。
手荷物は、預けずに小型のキャリーバックヲ予め用意し、機内持ち込みして荷物待ちの時間も省くように考えていた。
ところが、何と今回の便は離陸が非常に正確であり、逆に15分早く着いたのである。
これはこのままいけばうまく行けそう・・・と思ったが、スマホのメールをたまたま見たら、中国の取引先からのちょっとした苦情メールが英語で来ており、私は飛行機がタラップ前に止まって乗降ドアが開くまでのわずかな間に、つたない私の英語で、どうにか返信し、そそくさと香港空港のフェリー乗り場を目指すはずだったが、直前のこの英語メールで私の脳の左脳右脳の関係なのか、全くフェリーのことは忘れ、いつもの混雑するイミグレにいち早く並び、気が付いたら外に出ていた。
「さて!目指すフェリーは?」と思ったが、フェリー乗り場の案内板が無い。
1,2分してから、ようやく気が付いた。
空港のフェリー乗り場は、イミグレを通らずそのまま珠海に行かなければならないのである。これは、以前も利用したこともあるし、事前にネット情報で基礎知識を得てきており、全く問題ないハズであったが、出てしまうともう戻れないのが、このイミグレの怖さである。
即、兄に電話をして後から行く旨を伝え、空港の案内で珠海行きのフェリーはどこから出るのかきいたら、「マカオ フェリー」という埠頭から乗ればよく、バスの乗り場を教わった。
その番号のバス乗り場に行くと、「マカオ フェリー」と書いてあった。
このバスに乗り込み、一路「マカオ フェリー」へ向かった。
ところが、このバスなかなか目的地に着かない。私は当然バスの終点がマカオ フェリーだと思っていたので、途中結構人が降りた停留所があったが、あまり気にかけず、乗り続けていた。
ようやく終点に着いたが、確かにフェリー乗り場はあるが、ちょっと様子がおかしい。
結局、そこはマカオ フェリーではなかった。
7時半と言うフェリーの時間も迫ってきたため、私も少し焦って、タクシーを捕まえて「マカオ フェリー」と言ったら「ノープロブレム」という答えが返ってきたため、安心して乗り込んだ。
結局、そのフェリー乗り場まで、バスは香港$40で、戻ったタクシー代が$85であった。
また7時半に出る便は既に満席ということで、諦めて次の9時半で行くことにした。
このフェリー乗り場には、「味千ラーメン」とか「吉野家」があり、ここでビールでも飲みながら時間を潰そうと思ったら、このフロアーはなぜか一切お酒の類は扱っていないようで、結局はスターバックスのなんとかフラッペを飲んで1時間半くらいをやり過ごし、珠海のホテルに辿りついたのは現地時間の11時、日本時間の12時過ぎであった。後で聞いたら、香港人は余りお酒を飲む習慣が無いとのこと。
ちょっとした手違い、行き違いが、多大な時間と費用を消費してしまったということだ。
次の日の会議は、結構な難題を抱えていて最初はどうなるかと思ったが、どうにか纏まって、次の日のフェリーで香港に戻り、一泊してからその翌日帰ることになっていた。
結局、出来るだけ安いチケットということで、香港の朝早い便しかないということで、どうしても香港に一泊しなければならないスケジュールとなっているのである。
これもネットで、出来るだけ空港に近くて安いところ・・・と言う基準で探したら、“Silvermine Beach Resort”というリゾートホテルがヒットし、1万円位で香港としては安いためここに決めた。
成田も朝便のため前泊したが、成田の駅前で空港送迎付き、素泊まり4700円で済んだことを考えると、日本の物価はメチャ安いのではないか?と思うと同時に、円安のせいもあるかと思うが、最近は海外のどこへ行っても物価が非常に高いと感じている。
次の朝、兄と一緒に例の空港フェリーまで行き、空港からそのホテルに行けば良いと考えた。
しかし、空港フェリーの場合は、そのままフライトする人のみであり、空港から外に出る訳には行かないのではないか?と、その日の夜中に思い付き、早朝材料メーカーさんの人に聴いたところ、やはりダメ、急遽、違うフェリーで香港へ向かうことになった。
そうなると、違うフェリー乗り場からこのリゾートホテルまで、どうやって行けば良いか? が全く分からない。
その担当者の人に聞いても、それがある地名も場所も定かではないという。
安さを追い求めるあまり、地元の人もあまり知らないような所を選んでしまったようだ。
フェリーに乗れば、フェリーを降りてから、歩いて5分ぐらいと書いてあったので、そうしようかと思ったら、私のこれから行くフェリー乗り場と、そのホテルへ行くフェリー乗り場は違うため、材料メーカーの担当者は、前科(?)が豊富な私は、絶対に難しいことはせずに、その降りたフェリー乗り場から直接タクシーでホテルまで行った方が良いとのこと。
お言葉に従って、タクシーに乗り込んだが、タクシーの運ちゃんも英語で書いた住所やホテル名が分からないらしく、書いておいた電話番号に電話して場所を確認してから走り出した。
こういう時は、スマホのヤフーの地図案内は非常に役に立つ、自分が今走っている位置と、向かっている場所が分かるのだ。
フェリー乗り場からかなり走ったところで止まり、何かわからない英語で降りろと言っている。結局はタクシーの管轄外で、地元のタクシーに乗り換えろと言うことらしかった。
そこの待合のタクシーにホテルの名前を言ったら、大丈夫らしいので乗り込んだ。
地図からも察しがつくが、結構な山を横切るような道であり、おんぼろ車でその曲がりくねった道を猛スピードで走る。
悪い風をひいているらしく時折「ゴホンゴホン」とよからぬ咳をする。
私も色んな不慮の出来事で疲れているし、変な風邪をうつされたら大変だと思ったが、運転手は前、私は後ろだから「まっいっか!」とも思った。
この山は結構深く急で、草木も日本のように立派に茂っており、ちょうど伊豆の「天城越え」のような感じであった。
ヤフーの地図が徐々に目的地に近づき、それらしい建物も見えて、ようやく“Silvermine Beach Resort”というホテルに着いた。
結局、タクシー代は$300プラス$200位、トータルで7000円位かかってしまった。帰りの空港までのタクシー代を加えると、1万円弱になると思われ、これだと、2万円のもっと便利なホテルに泊まった方が良かったかと思ったが、時既に遅し・・であった。
リゾートと云えば、先般タイの兄の古稀のお祝い時に兄からプレゼントされたプーケット島のリゾートホテルは最高のホテルであり、プライベートビーチがあって素晴らしかったが、このリゾートのホテルは、その辺の貧しい農村にたまたま豪華リゾートを夢見て20年位前に建てた「兵どもの夢の後」的なホテルであり、確かに目の前は白い砂浜のビーチではあった。
示された離れの建物に入ろうとしたら、ドアが開かない、一人前にカードキーをかざさないと入れないようになっていた。
中にも廊下に続くドアがあり、開いたがドアが非常に重く、開き切れなくて、したたか腰の辺を打った。
この日の朝のサッカー=日本対ギリシャのなんとも歯がゆい試合を2時間タップリ見たが、あの時、選手たちがぶつかり合ってイエローカードだレッドカードだとファウルの度に、痛がって倒れていたが、あの選手たちも、こういう痛みを堪えて頑張ったンだなぁと考え、我慢した。
部屋は、ネットでは今年改装したとか書かれており、結構小奇麗だが、コンセントが合わないし、インターネットが使えない。
勝手がわかった重いドアとカードキーが必要な表ドアを通って、フロントに行って聞いたら、インターネットは$100(1400円)、コンセントのアダプターは$20ドル(280円)取られてしまった。
インフラの不備を恥じるどころか商売にしてしまうところは、見習うべきか?
一応、周りの状況はどんなもんかと思って、散歩に出かけた。
思った通りこのリゾートは、香港という世界的都市をすぐそばにしたさびれた漁村が賑わうリゾート地の夢を見て、フェリー乗り場を作り、花咲こうとしたが、つぼみのまま時間が経ってしまった・・。という感じで、これと言って何にもない。
一軒だけ気の利いた店と云えば、マクドナルドだった。立ち寄って甘ったるいアイスのパフェのようなものを食べた。
もう一軒、小さなセブンエレブンがありアサヒドライがあったので、寝酒用に一本買ったら、冷えたまんま裸で渡された。
日本は、エコバッグとか言って、ビニール袋が要りますか、要りませんか?と聞いてくるが、ここでは何も聞かずに、「一本じゃー袋もつけられネ~や」と言うような顔をしていたから、そのまま持ってホテルまで帰ったが、結構冷えていて、手が冷たくなってしまった。
朝は6時にタクシーを予約して、洗面所で身支度していたら、小さな虫のようなのがちょろちょろとタオルの下に潜り込んだ。私は反射的にタオル上から一撃した。ゲジゲジの類は、これで潰れるが、この生き物は、しぶとく全く元気でチョロチョロ動き回って、洗面所のドアの下から逃げて行った。
小さなヤモリであった。
改装前は、さぞかしこのようなのがうようよしていただろうな?と思いながら、この夢破れた?リゾート地を離れ、またあの「天城越え」をしながら香港のエアポートに向かった。
「安物買いのなんとか」・・・私の場合は、どうもこの傾向が強い。
根が貧乏性というか?乗るとか泊まるとかに出来ればあまりお金を使いたくない・・・という気持ちが強いため、このような様々な事件が起きるということかも知れない。
まあ、結局一生、この性格・性質からは抜けきれないだろう。
この次は果たして内が起きるのか?
乞うご期待!!