会長の部屋:農業立国日本を目指せ!!(オランダに学ぶ)-

10月31日、東京でシンポジウム「オランダの農業経営から日本を考える」が開催された。私も行きたかったが所用があり断念。

日経ビジネスに記事が載ったため、これを要約し纏めておきたい。

「日本は農業立国になれる」…と言うのが私の主張だからだ。
様々な人達の話が載っているが、それぞれの記述を纏めてみた。
1、日本の農業が衰退した理由は、かいつまんで言えば、じいちゃんばあちゃん農業、兼業農家等の小規模農家を保護してきてしまい、非能率的な農業が一般的となってしまったこと。日本は5㌶未満の農家が農地の49%を占めている。これに対しオランダは50㌶以上の経営体が33%を占めている。
2、日本の食品は安全・安心・高品質ということであり、これに価格面の競争力が備われば、成長産業になる可能性が十分にある。
3、オランダは日本の国土の9分の1だが、世界で第2位の農業輸出国である。生産品種の比較的優位な作物に特化し、必要な食品は輸入することで全体を調和。
 正に選択と集中。
 農地規制の緩和を実施し、農業の大規模化を促進し効率を上げてきた。
 オランダの成功は市場の開放、土地の集約化と言う”政策”によるものだ。→日本の有権者保護(選挙)の姿勢とは大違い。
4、またオランダは国内市場が小さいため輸出ビジネスを成長させた。同時に輸入にも力を入れ、サプライチェーンをつなげて輸入品に付加価値を付けて輸出する仕組みを作り、結果食品の販売価格を2倍に増やせた。→日本では工業製品でこれをやって”メイド・インジャパン”ブランドを確立をした。
5、高い生産性を比較的少ない肥料で実現することで、オランダのリンゴは日本の3分の1の価格で提供できるようになった。
6、農家の平均収入は、オランダが40万ドル、日本は4万ドルと10分の1。花、種子、野菜、果物など園芸関係が農業生産の4割を占め、年間総輸出額1070億ドルで世界第二位(日本は33億ドル)。
7、オランダでは、政府、企業、教育・研究機関のゴールデントライアングルがあり、園芸を中心とした物流、ハイテク素材、エネルギーなど関連する9つの重要部門との連携を図っている。
 その結果、オランダのハイテク温室では、㎡当たり年間80kg以上のトマト生産を実現した。通常の露地栽培では通常5kg位しか採れない。
8、いま日本に必要なことは、農業の集約化と農業のイノベーションである。大規模化しイノベーションにより生産性の向上を計れば日本は農業大国の道を目指せる。日本には十分その要素がある。
9、日本の食品の質の高さ、ロボット工学、ポリマー技術等を活かせば、日本とオランダは相互補完関係を築き、強力なパートナーになれる可能性がある。
10、日本の農業は、オランダのように付加価値の高い作物を知恵を集めて作り、多くの成熟した消費者に提供して行くことが必要。
 オランダの農業が持つ強みを日本の知恵でアレンジする。明治時代は和魂洋才だったが、これからの日本の農業は和才洋魂でオランダから学ぶことが必要。
11、とにかくこれからの日本は岩盤規制を取り除き、通常の競争のある事業としての環境づくりをすることにより、競争力を付ければ、アジアの富裕層向け等の市場は必ず開ける。
12、また「生産性の向上」は不可欠である。
 1時間当たりの労働生産性は、日本の約40ドルに対し、オランダでは約60ドル。オランダの農業は、大規模化の他、ICT(情報通信技術)化などを通じて生産性を飛躍的に上げてきた。→テレビで見たが、オランダの農業はロボット化がかなり進んでおり、出来るだけ人手を掛けずに作物を生産する。これは日本の”お家芸”である。
13、まずは、「顧客ニーズ」を捉えることが肝心ということだ。

 オランダの農業の話を聞くと、ワクワクする。
 日本の9分の1の領土の国が世界第二位の農業輸出国で、日本と違うのは、大規模化とハイテクと云うことであるから、これはやりようによっては間違いなく、日本は”農業立国”になることができる。
 日本はエネルギー問題もそうだが、農業問題も”政策”の間違いによって完全に遅れをとってしまっている。
 
 私は日本は、工業製品含めて”モノ造り”しかないと思っている。
 いずれも”コツコツコツコツ”が基本である。
 モノ造りが日本人の性格や性質に一番合っている。
 そしてこれを”強み”にして世界に打って出るべきだと思う。

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