会長の部屋:久々の講演-

 久々に講演をした。
お招きいただいたのは長野県飯島町の商工会と中川村商工会の皆さん。
 実は今年の1月23日に講演予定だったのが昨日10月18日に延期された講演だった。
 1月23日は本当にドタキャンだった。
 若い頃、私は”小諸のジュリー“と言われステージ付きのスナックへ行っては「勝手にしあがれ」で帽子を飛ばしていたが、昨日の沢田研二=ジュリーのドタキャンのように来場者が少ないから講演しないということはない。私は一人でも二人でも私の話を聴いてくれる人がいればいくらでも話す。
 1月23日の時は、その頃猛威を振るっていたインフルエンザに罹ってしまい、どうしようもなくドタキャンしたのだった。
 私は社員に私はEMを飲んでおり免疫が強いため、風邪はひかないと常々言っており、多少風邪気味になってもまず会社を休むことはない。
 その時もただの風邪であれば強行したと思うが、インフルエンザでは如何ともし難かった。
 この講演は南信精機の片桐社長さんが商工会に持ちかけた講演であった。
 片桐社長さんとは二年前の安部知事とベトナム視察旅行というツアーに参加した時、成田で最初に知り合った同ツアー参加の人が片桐社長だったことで、その後旅行中、旅行後もお付き合いさせて戴いていた。
この南信精機さんの工場を見せてもらって驚いた。
この会社は精密プレス金型、精密プラスチック成形金型を自社で手掛け、それぞれ精密プレス品、精密成形品を造っているが、凄いのは、この製品を連結しオール自動化し「プレスチックス」という独特の名称で精密プレスと精密プラスチックをモジュール化した精密機構部品を大量生産していることだ。
聞くと、中国、ベトナムに工場があり、こちらもほぼ自動化しているとのことである。
これは、私が常々言っていた「国内自動化」を実現し、それを更に海外にも展開している(自動化で地消地産)を既に実行していている会社だった。
この会社には当然、これからの車のEV化の波による様々な精密にして大量な注文が入り込んでいる。
これからは更に多くの引き合いが舞い込んで来るはずである。

この未だ若い片桐社長が紹介し実現したこの講演会で、私は10年前の「おやじバンドでNHK出演」したビデオで、まず私のキャラを売り込むと同時に、7分間ビデオの中で会社の紹介を結構丁寧にしてあるため、ある程度の会社案内ができてしまうのだ
そして次に当社の創業以来の売上、利益の棒グラフで会社の歴史を説明。
下請け制度というシステムがいかに親会社は子会社を「生かさず殺さず」で使ってきたか=結局、品質、価格、納期のQCDをメチャ厳しくし、ライバル会社と競わせてただただ何も考えずに、親会社に従わせるシステムであったという説明をした。
そして海外取引の悲惨さも説明したし、円高、リーマンショック、大震災等の経済ショックは我々中小はまともに受ける様を説明、インダクタンス±1%以下という難易度の高い特性をクリアーしたことで大量のコイルが受注出来、安定に向かったことも説明した。

下請け制度の枠から這いだすためには、独自の技術が必要だ。
当社は「高密度コイル」という何の変哲もないコイルに付加価値を付けたことによる特殊技術一本でこの時代という荒波を乗り越えて来た。
我々中小零細はこれからどこに向かえばいいのか?
政府に期待しても無理だ。
自分で考え、自分でPRし、自分で切り拓くしか方法は無い。
世の中の趨勢を良く観察し、自社に何かそれに合った技術とか特徴はないか?を考え、これを伸ばして行くより術はない。
モノ造りをやらずに新しいモノを設計しようとする技術者、メーカーには明日が無い。

そして最後は「逆ピラミッド組織」の話をした。
9月から始めて1ケ月半、当社の組織はとてもすっきりして来て、4人の女性の生産管理担当者と各ライングループのグループリーダーが会社の通常業務を仕切り始め、概ね良好。
当初居場所が無いように思えた管理者らも、次第にこのシステムの中で自分の持つ職能を発揮し始めている。

講演終了後、懇親会にて個別に話をすることができた。
皆さん若い経営者が多く好奇心も旺盛で、この地域は南信精機さんを始めなかなか素晴らしい企業が集まっていると感じた。

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