会長の部屋:佐藤芳直氏講演「何のために生きるか」-

佐藤芳直氏講演「何のために生きるか」(2014年4月4日 於:上田市民会館

                   上田情報ビジネス専門学校入学式

今日はS・Yワークスというコンサルタント会社の社長佐藤芳直氏の講演を聴いた。

佐藤芳直氏は、船井総研時代の有名なコンサルタントで、私も何冊か氏の本を買ったり、氏のテープを聴いたりしたこともあった。

たまたま私の学生時代の友人が、この会社の講演の講師をしており、私の本と同じようなことを佐藤氏が仰ってるということから、2月に仙台まで出かけて行って会おうとしたが、行き違いで会えずにいた。

今回、上田情報ビジネス専門学校の入学式の講演に上田に来るということで、小諸から約30分の以前に日野原重明先生の講演の時に使った取り壊し寸前(既に新しい会館が出来つつある)の上田市民会館にやってきた。

客席に座りながら、あの時、「新老人の会」東信ブランチの代表として1400人の満席の会場で、日野原先生には全く不釣合なおやじロックバンド「セルパップブラザーズ」を演奏したり、締めのご挨拶をしたりしたかと思うと、私もかなり図々しい男だなぁと我ながら思った。

佐藤氏は、34年前に船井総研に入社し、1800社のコンサルタントをしてきたということですが、この日は、ビジネス学校の入学式の講演のため、「何のために生きるか」という演題で講演が始まった。

幸せな生き方を学ぶということであるが、就職とは生き方を見つけることである。これからは75歳定年制になる可能性があるため、仕事上で幸せになれなければ、人生の幸せは有り得ない。

私は、私の会社の月曜日の朝礼で、事あるごとに言っている。

「みなさんは、たまたま縁あって、この会社に入った。しかし、会社がただの生活のための手段と思って時間から時間までおざなりにつとめて帰ってしまうような仕事をしている人は結局、人生を無駄にしてしまうことになる。

 なぜならば、人生は正に「時間」であり、その多くの時間(一日の起きている時間の2/3以上)を仕事に費やしているからです」

「仕事を、受け身や指示待ちでやっていては何も生まれない。自ら考え、自ら行動する、セルコの社名の基となっているセルフコントロールによって、積極的に仕事をすることが大事です」

「積極的に仕事をすることで、仕事も早く身に付き、失敗や成功から様々なことを学び取り、結果、仕事が楽しくなり、自分の人生そのものが充実してくるのです」

「皆さんが、仕事に喜びを持ち、仕事に生き甲斐を感じ、仕事を通じ成長をすること・・・これが私の一番の喜びです。」

そして社員は常に輝いていなければならない。“社員はシャイン(Shine)”なのです。

幸せは人それぞれということであるが、3・11の大震災時に、全世界が日本の、日本人の生き方にその「幸せ」ということを感じ取った。

今や日本は、世界の文化を引っ張っていると言ってよい。

オリンピック開催決定時に話題となった「おもてなし」は、それまでに「おもてなしスピリット」としてアメリカやヨーロッパでは既に使われていた。

「おもてなし」は英語では表現できない言葉であり、英語ではホスピタリティがこれに近いが、ホスピタリティというのは神の愛を他の人に施すことであり、おもてなしの様に何の見返りが無い行為というモノはアチラの文化には無い。

アメリカではレストランで「水をください」と言っても担当以外のウエイトレスには拒否されたり無視される。この国では、自分の担当以外のお客にサービスをするとその担当者の業務侵害となってしまうため、拒否したり、無視したりするとのこと。

日本では考えられないが、これが文化の違いと言うことだ。

また「思いやり」という言葉も英語、中国語にはない。

更に日本の江戸時代には「うかつ謝り」という言葉があり、誰かが慌てて他人にぶつかった場合、ぶつかられた方が謝る。また足を踏まれても足を踏まれた方が謝る。勿論ぶつかったり、足を踏んだ人も負けずに謝る。こんなことは他の国では全く理解できず、宇宙での出来事のようだ。

「幸せ」とは「良い人間関係を作ること」であり、「よりよい人間関係の中に、よりよい自分がある」そして、「よりよい人間関係を作ることが仕事なのである」

成功したり幸せになる人は能力ではなく、性格である。

日本人の持つ、この互助の精神、譲り合いの精神は、決して家庭や学校で学んだものではない。これは、日本という島国にして農耕民族であったという独特の環境の中で、しかも他の多くの国と異なり、山とか、岩とか大木=自然を尊び、崇めるような、極めて自然そのものが”神“というような独特の宗教観を持ち得る国民であったことに起因しています。

お話にもありました「うかつ謝り」を始め「こぶし腰浮かせ」とか「傘かしげ」等々素晴らしい「江戸しぐさ」という慣習があった日本ですが、最近は西洋文化が入り込み、車の接触事故などでは、逆に「絶対に自分の非を認めるな!謝るな!その後の補償問題で不利になるから」・・と言われます。

 私も何回か接触事故を起こした時に、後から考えると、こちらが100%責任で無いにもかかわらず、最初に謝ってしまう・・という極めて日本的な対応をしてしまいますが、これは私に備わったDNAが後から受けた教育に勝っているという私自身の例かも知れません。

 会社でもやはり、一番大事なのは「人間関係」です。当社の経営理念にはこの「調和」ということを最も高く掲げております。

 このお話の中では「成功したり幸せになる人は能力ではなく、性格である。」というくだりである。これは、能力があり、いくら好成績を上げようが、すばらしい成果を上げようが、自分がそれにより何かを得、またそのことにより周りの人々がハッピーにならなければ意味がない(調和)。・・ということかと思いますが、確かに、そのような状態を作りだす元は、その人の「性格」というか「人徳」というか能力、実力のような作為的な面を超えたところにあるのかも知れません。

命の使い方が分かった日が「立命の日」というが、佐藤氏は船井幸雄氏に入社試験の時に「お前は一体何のために働くのか」と問われたが、その答えは、「人間はみんな何かしらの役割を持って生まれてきている。」そして「その役割は働くことでしか見つからない。」

「だから人の2倍、3倍働き、1日でも早く自分の役割が分かったら、うれしくないかい?」

と言われた。

今現在も、「役割」はなかなかはっきりしないが、人間が生まれてきた役割は分かるようになった。

佐藤氏の息子さんが先天性発達障害者、知的障害者であり、この息子さんから教えられたことは、「人間は誰でも、誰かに喜ばれるために生まれて来る。」ということ・・・。

そして、「成長は人に喜ばれることによって成長する」

「仕事とは、お客や仲間に喜ばれること」

「産まれた目的は、人に喜ばれること」

「人間は一つの言葉、一つの動作、一つの表情で誰かを喜ばせることが出来た時に初めて人間となれる」

「 挨拶」「掃除」「素直」がこの学校の基本である。

「挨拶」一つでも、本気の挨拶をすることが大事。

集めた「アリガトウ」の数だけ人間は幸せになれる。

 佐藤先生のお子さんが障害児であることは、確か以前の船井のカセットでお聴きしたことがありましたが、昨日講演の中で改めてお聴きしました。

 佐藤先生の人間に対する洞察力の鋭さ、深さは、このお子さんから学ばれたことが大きいのではないか?と推測致します。

お話の中でのお子さんとの逸話には感動と共に、「人間は人に喜ばれるために生まれて来る」・・ということがスッと胸に落ちました。

そして、入社式に船井幸雄氏が言った言葉

「メモを取る」

「お見送りをする」

「手紙を書く」

という極めて簡単なことをきちっと完璧にやることである。

あいづちを打ちながらメモを取る。

分かったとは言わずに、分かったような気がしますと言え。

お見送りは、キリの良いところで切り上げること。見えなくなるまで、お見送りすると、お客に逆に気を使わせることになる。

手紙には、相手の名前を3回書く。出逢い時のエピソードを書く。最後に希望を書く。(またお会いしたい等)

これは、早速、実践したいと思いますが、手紙を書く部分は、メールを書くことで代用させて戴きます。

世界で幸せになれる人とは、誰かの利益に一生懸命の人。

「自分」のためはNG。

2011年4月の画像「広野君兄弟が福島の支援する自衛隊員に手を振り、ありがとうを連呼し続けた」・・・何の見返りもない行為を出来る国民は、日本人を置いて他にいない。私達は、自分たちを大いに誇りに思うべきだ。

日本の「おもてなし」や「おもいやり」の精神の凄さは、」この”見返り”を求めずに、只管真心からの思いを実践すること・・であると思います。

これは、全ての価値基準を“お金”屋”自分の権利”におく西洋文化とか中国文化とは全く違う世界であり、これこそが日本が世界に誇れる最大の精神的価値ではないか?と思います。

勿論西洋にも、ナイチンゲールのような無私の精神を発揮した人達がいましたが、日本では、広く一般の人達の心にそのような心があることが凄いのです。

先般、東京に物凄くきれいな虹が見えた。

虹は米国が6色、ドイツは5色、ポピ族は2色、日本は7色だが、7色と言っている国はそんなに多くない

「心が違えば、見え方が違う」

経験、環境、教育によっても違う。

船井幸雄氏に教えられたこと「素直に心のありのままに見る」それを伝えることが出来る。

協和株式会社のハイポニカ農法を見せられた。

これはガイアシンフォニーという自主上映作品の映画で有名となった野沢重雄氏のビニールハウスで、本物のトマトが一つの幹に13,000ケ生っていた。

非常に美味しい。地球上では一本で30m位、宇宙空間では無限となる。

「常識で生きるな、惰性で生きるな、常識を捨てろ」

自分の常識がドンドン広がって行く。

人間はその受容力で決まって来る。

「受け止める力」が必要となる。

 人間は常識とか、科学とかに捉われていると、“真実”が見えない。

 私の会社のホームページには「常識を疑ってみませんか?」というページがあり、そこに様々なコイルに関する常識を打ち破る技術が沢山載っている。

 通常の常識から、物事を捉えている限り、新しいモノは決して生まれない。

 先ほどの日本人の自然崇拝の話ではないが、私は、人間が万物の霊長とし、この世界の全てを知り尽くし、全てを支配できる・・・と言うような思い上がった感覚でいると思いますが、自然の叡智、自然の大きさ、自然の凄さは、私達が想像するよりも、遥か遠くにあると思っています。

 私達は自然に逆らたり、自然を侮ってはいけない・・と思います。

 以前に「地球を守るために地球を破壊しようとする人類を滅ぼしに来た」という宇宙人の映画を見ましたが、何時までたっても、化石燃料を堀り出し、原発を動かし、戦争は必要悪とするこの世の中を見ていると、正に私はこの映画が、決して空想の世界では無いような恐怖心を覚えました。

「必然、必要、ベストの理」

どんな失敗も学びのために起きる。

あらゆる出来事は、世の中に何かを教えるために起きる。

一度目:学び、2度目:教訓、3度目:警告

失敗の数だけ成功に近づく。

若いうちに失敗しなさい。

弟子はどんな言葉であっても、理解しようと努力しようとすること。

「3・11の大震災をも必然、必要ベストと言えるか?」

「あんな大変なことがあったから、私達はこんな未来を作ることができた」・・・と言うべき。

色んな出来事をただの結果で終わらせてはいけない。

全てを原因にしなければいけない。

 3・11の大震災で、多くの人達が命を落とし、多くの人達がその被害に会われました。

 これも「必要、必然。ベスト!」と言えるのか?ということで、佐藤先生は大分悩んだとのことでした。

 これを、教訓に・・というには、あまりにも、悲惨で、あまりにも多くの犠牲者が出たからです。

 しかし、先生はよくよく考えた末に「この教訓を活かし、次の時代に、未来を作って行くべきだ」と結論されたとのことです。

 日本は、先の第二次世界大戦で、壊滅的な敗戦を味わい、原爆という地球を破壊するような力を持つ兵器の実験場にされ、その後、唯一の被爆国として、不戦の誓いを立て、原爆の不使用を訴えてきました。

 また、3・11時の福島での原発事故により、未だに20数万人の方々が、自分の家に帰れずにおり、福島原発そのものの汚染水問題も、使用済み燃料問題も、何も解決しておりません。

 船井先生の「一度目:学び、2度目:教訓、3度目:警告」ということですが、戦争や原発事故は、2度、3度はありません。

 特に、“自然を尊び、自然を愛する”この国は、平和や思いやりの心を広く世界に訴え、日本人の素晴らしい叡智で、自然エネルギーで全てを賄えるようなシステムに全力を傾けることが、地球的視点というか宇宙的視点から見た、“我が国の使命”であると、私は思います。

「どうせ仕事をやっているんだから、一流になれよ」

「自分を一流だと思い込めば良い」

「立居振舞を完璧にすること」が一流。(ホテルの泊まった後をきれいにする。新幹線の背もたれ、ゴミの片づけをする等。)

「目の前の人に一生懸命喜んでもらえ」・・メモを取る、お見送りをする。

「離れている人に一生懸命喜んでもらえ」・・手紙を書く

「見ず知らずの人にも一生懸命喜んでもらう」・・道路掃除をする。

 一流の人間になることは、難しいかも知れないが、少なくとも私達は一流の人間を目指した行動をすることが大事かと思います。

人間の本気の言葉は、永遠に残る。

1時間20分の話の中で、何かを誰かの心に残せたか?

自分の命を使ったか?

終戦時の特攻攻撃がいかに英米にダメ―ジを与えたか?

アメリカが日本の恐ろしさを一番良く知っている。

自分の時間=命

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