会長の部屋:いよいよカナディアンロッキーの旅が始まる-

 アメリカに向かうミキヨシ君とは空港で別れ、カルガリ―空港を降りると、大型の箱バンで旅行社の日本の若者が待っており、これからバンフまで送ってもらえるとのこと。
 兄の方でこのカナディアンロッキーの日程は、日本の旅行社に色々な要望を入れながらホテルやガイドを頼んであったのだ。
 この若者は20年近くカナダにおり、20年前まで10年間バンクーバーに住んでいた兄と話が盛り上がっていた。
 やがて1988年のカルガリー冬季オリンピックのスキーのジャンプ台会場だったという場所が見えてきたが、この若者が言うには、この会場は選手達にはあまり評判が良くなかったのだとのこと。
 リフトではなくエレベーターで一気に上に上がってしまうため、”心の準備”が整わないこととか、ジャンプをすると目の前が道路で車がガンガン通るため、気持ちが乗らなかったそうだ。
 まっすぐな道を結構なスピードで走って行くと、徐々に大きな山が現れ始め、カルガリーから約2時間でバンフの街に着いた。
 街としては軽井沢の旧軽の街を拡大したようなイメージで、ホテル、飲食店、お土産物屋が立ち並ぶまるっきり観光の街であった。

 しかし何と言っても凄いのは、周りが急速に立ち上がり、そそりたっている綺麗な岩山である。
 ここは標高1384mの山岳リゾート。7500年以上前に誕生したといわれている場所で、ロッキー山脈の壮大な自然に囲まれ、カナダで最初にナショナルパークに指定された場所だとのこと。
 
 これは写真でじっくり見てもらいたい。
 この風光明媚なワクワクするような街に我々は2泊する。
 午前中にホテルに着いたため、荷物を預け、早速街に繰り出す。
 どこを見ても様になっている風景、しばらく歩くと街は直ぐに通り抜けてしまうから引き返して、ガイドのお兄さんが推薦したステーキハウスを探そうということになったが、お客がテラスで肉をジュージュー焼きながら旨そうに食べている店があり、ここがいいということで、6人ドヤドヤと入り込んだ。


 
 英語で書いてあるメニューのどれがどうかは良く分からないため、とにかく頼んでみんなでシェアすればいいということでオーダーした。
 こちらの肉は日本の霜降り肉とは異なり全て赤身の肉だ。
 これは日本では牛は牛舎の中であまり運動をさせずに育てるのに対して、こちらの牛は放牧が主なため、肉が締り筋肉もしっかりついており、筋が硬く、焼くとさらに肉が硬くなるようだ。
 日本の肉を基準にすると、あまり美味しくはないが、そういうもんだと思えば食べられないことはない。
 ただし美味しさは肉そのものの味よりタレの旨さによって決まるのではないかとも思った。
 
 そんなことでバンフでの最初の食事が終わり、三時のチェックインの時間にはちょっと早かったがホテルに行き、多少待たされたがようやく部屋に入
った。
 部屋の窓からは、あの雄大なほぼ垂直に切り立つ岩山を常に見れるというのは凄い!
 これまで、バンクーバーの街並や、吊り橋、ヘリコプタからの景色、アイマックスシアターの迫力など、毎日が驚きと感激の連続であったが、このバンフという街は、人里離れた全くのリゾート地で風光明媚、加えて気候的にも暑くもなく寒くもない大変良好な環境下で、リゾート気分を十分味わえた。
 昼は豪華にステーキだったため、夜はまた例のカップヌードルパーテイーと相成った。
 色んな種類のカップラーメンや焼きそばから好きなのを選んで食べる。この日も結構美味しくみんなで盛り上がって食べた。

 次の日の朝、私はようやく時差ボケの中でも自分のペースを取り戻し始め
、朝結構早く目が覚め6時頃散歩に出ると、ちょうど隣の部屋の兄夫婦も散歩に出かけるところだったので合流した。
 ホテルの裏側に池があり、この池が結構水の色が青くきれいな池であり、私の芸術心(?)をくすぐるモノがあり、朝靄と共に何枚か写真に収めた。
 そこからその池の淵の細い道を歩いて行くと、「あっ!エルクだ!」と兄の声、我々が歩く方向から、ちょうどちょっと小柄の馬位の大きな鹿が、ノ
ッシノッシとこちらに向かって来るではないか!?
 これこそ願ってもないシャッターチャンス!
 「近寄ると危ないぞ!」の声に、付かず離れずしながら写真を撮りまくるが、いざという時はなかなかうまく行かないモノだ。

 やがて、一匹が居なくなってしまった後に、また違うエルクが現れた。
 今度はちょっと白っぽい。
 またもシャッターチャンスで撮りまくる。 
 そこへ車が一台スーとやって来て、降り立ったのは麻酔銃らしきものを持った警察官らしい。
 その警察官が銃を構える隙も無く、エルクは先の森の中へ素早く逃げ込んでしまった。それこそ”動物的な勘”で危険を察知して逃げ去ったのだろう

 兄の話では、20年前はエルクがこの街にはウヨウヨいたとのことであるが、結構凶暴なところもあるということで恐らく住民や観光客と何らかのトラブルがあったのであろう。
 今は警備員がエルクを見かけると麻酔銃で眠らせ、どこか違うところへ強制移住させているとのことで、この二匹のエルク発見は偶然でありなかなか得られない体験となった。
 
 その日は10時集合で、乗り合いバスに乗って近くのサルファー・マウンティン(2285m)という山にゴンドラに乗って登ることになっていた。
 旅行社のお兄さんより10時10分前にはホテルのロビーで待つようにと言われており、待っていたがなかなか来ない、結局は10分ほど遅れて到着した。
 バスは、途中でまた乗客を載せ、一路山の方に向かって登り出し、あっという間に山の麓に着いた。待つ時間の方がよっぽど長かったが、バスが早く来たり遅く来たりして運行が日本の様に正確ではなく、適当だということなのだろう。
 中国に出張している時も、遅れるのが当たり前の中国で、出発時刻に間に合ように停車場に着いたら既にバスが出て行ってしまったということがあった。
 予約のお客が全員乗ったため早めに出発したようだ。
 ”日本の常識は海外の非常識”・・・海外では電車やバスが時刻表よりいつも遅れるが、たまに早く出発することもあり・・・である。

 
 4人乗りのこじんまりしたゴンドラに2人、3人と別々に乗り込み、約8分で急速に1000m近く上がった。
 多少霞がかかっていたが景色は良く、またしても感動の一瞬を迎える。

 この山小屋から頂上まで、階段が繋がっており、てっぺんまで歩いて行くことができる。
 女房の足がちょっと心配だったが、本人が行くと言うので、歩き出した。
 歩道の周りに色んな花が咲き、小さなリスが沢山出ては引っ込んでしている。
 中には、観光慣れしているリスがいて、しばらくポーズをとっているリスがいたので、ここはお得意のズームカメラで、バッチリ写真に収めた。

 ここからは遠い山々とバンフの街が望め、フィルムの枚数を気にしなくていい写真を撮りまくった。
 ゴンドラの発着所には売店があり、山を登ってちょっと喉が渇いたため、ジュースでも買おうとしたが、売店の女の娘がレジ用のコンピュータが壊れたためと言っていて、なかなか買えない。
 日本であれば、コンピュータは諦めて、品物の値段を見て売ればいいのだが、この女の娘は、ひたすらコンピュータをいじくっているだけ、10分近く待ち、我々の後に行列ができたが、結局、買うことは出来ずに諦めた。
 ”日本の常識は世界の非常識”・・・日本ではトラブル発生時には、当事者の判断で対応できる場合が多いが、海外ではマニュアルがあり、それ以外のことはしない、やらない場合が多い。技能的にできない場合もあるかと思う。
 日本ほど教育レベルの整っている国は珍しく、また顧客対応はあくまで顧客が一番の国は少ない。
 ゴンドラを降り、下の発着所から少し行ったところに温泉があるというので見に行った。
 温泉は水着を着て沢山の人が入っていたが、タイのプーケットリゾートのプ―ルの時のようなゾクゾクするようなスタイルのお姉さんは見つからなか
った。


 兄が「シャッターチャンス!」・・・と叫ぶのでカメラをスイッチオンにして構えたら、二人分の身体?と思わせるような巨体の女性が二人水着姿で並んで入っており、私のお得意のズームカメラも途端に萎えてしまった。
 バンフの街に戻り、この日のちょっと遅い昼食は、兄がご飯を食べたいということで、日本食のレストランに入った。
 かつ丼やカレー、牛丼などのメニューがあり、それぞれ思い思いの日本食を頼んだ。
 結果的には、あまり美味くは無かった。
 ご飯がぱさぱさしており、私の頼んだ牛丼もご飯が粘りが無いため箸から零れ落ちてしまいイマイチであった。
 しかし値段はそれぞれ1000円位し、また日本の”すき屋”や”吉野家”の300円と比較してしまうのであった。

 翌日は、いよいよバンフを発ち、専用車に乗ってレイクルイーズに向かう。いよいよカナディアンロッキーの旅も佳境に入って来るのである。

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