会長の部屋:この年の締めくくりに・・・・-


2016年、平成28年ももう僅かである。
 我々が何を考え、何をしても、間違いなく時間は過ぎて行く
 人間生まれて生を受けたと同時に死へのカウントダウンが始まる。
 それが長いか?短いか?の違いはあるにせよ、このことはいかなる人間にとっても等しく与えられた宿命である。

 私も古希=70歳を昨年迎えた。
 50歳の頃、その体調の悪さに、とても60歳までは生きられない・・と思っていた私が70歳まで生き、そしてまだまだ自分の人生に挑戦を続けようとしている姿は、悪あがきの人生というべきものであろうか?それとも特別私に与えられた神からのプレゼントなのであろうか?
 私の生涯の師というべき中村天風先生は、生きている限り挑戦し続けろ・・というし、昨年105歳になられた日野原重明先生は、「まだまだ・・」という。

 私としては、“生きている”=“生かされている“ということであり、やはり生きている限りは、自分は何らかの使命があり、何かをすべきなのだ・・と考える。
 昨年、70歳を迎えるに当たり、5年後、75歳にて社長の座を息子に譲ると社内外に宣言した。
 実際、その後、殆どの業務は息子以下の30代の若者が取り仕切り始めており、このまま行けば何とか恰好が付いて行けそうである。
 若者たちは任され責任を感じると、それなりの自覚が生まれ、それなりの仕事をするものだ。

 この会社も創立から46年が過ぎ、47年目を迎える。
 設立からセイコーエプソンさんの下請けとして結構順調に推移して来たが、経営的には何の戦略もなく、ただただ従業員を抱え、毎月来る仕事をこなしていただけの日本の典型的な下請け企業・・と云う会社だった。
 それが「企業30年説」とはよく言ったもので、16年前の設立後30年にして仕事が激減し、間違いなく潰れていた会社であった。
 メインだったドットヘッドのプリンターのコイルが時代の流れ=技術革新により、インクジェット、レーザープへと取って替わり、メインの仕事が無くなったことが、主原因であった。
 それから私の悪戦苦闘が始まった。
 10億円/年以上売り上げていたものが、2憶そこそこに落ち込み、ひどい月は600万円まで落ち込んだ。
 今から考えると、奇跡的な復活・・と云えるだろう。
 メインのお客は無く、毎年毎年日替わり定食並みにメイン得意先が入れ替わった。
 結構、最先端のプロジェクトが多く、大体途中まで行くと得意先の方で挫折するケースが多かった。
 今、16年かかって以前の10億円/年の売り上げに戻ってきたが、今後はこの売上高をキープする必要があり、更に伸ばして行く必要がある。
 幸い、当社が10数年前から手掛けてきた「高密度コイル」の需要が、急速に増えつつあり、この波にうまくに乗れれば・・・と云う期待がある。
 先般、九州の方から磁気学の権威の先生が来社し、日本のモーターとか発電機は大分遅れているが、これからセルコのようなきちっと巻く技術が違いなく、世の中で必要とされるようになって行くだろう・・・と仰っていたが、私は10数年前にそのことを直感し、この会社を「高密度コイルのセルコ」として世の中に「きちっと巻くコイルは間違いなく他社との差別化に有効」と言い続けてきた。
 
今年は、総じて良い年であった。

 社内的には、アチーブメント株式会社の「社内研修」を社員全員で受け、社内がこれまでに無く、まとまって来た感じがする。
 私の古希の誕生日には朝の朝礼時に従業員から花束を送られるというサプライズもあった。
 私は10年ほど前から、社員の誕生日には、一寸したプレゼントをしながら、その人の特に良い面を褒めたたえて誕生日のお祝いとしている。
また昨年の社内研修後には、思うところあって、社員の誕生月にはゲスト一人を伴っての「食事会」を開いているが、自分の誕生日は、これまで誰もウンでもスンでもなかったのが、今年は突然の花束で、涙、涙の誕生日となった。

 明日からの来年は、またどんな年になるか?
 なってみなければ分からない・・・が、どんなことがあっても、生きている限り逃げる分けにはいかない!

 皆さん!良いお年を!!
 来年もよろしくお願いします!!
 

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