新年、あけましておめでとうございます!

新しい年がやって来た。
確かに、以前は「新しい年=希望」のように感じていたのが、最近は「新しい年=また一つ年を取る」に変わってきているように思える。
 それでも私は、自然の摂理に逆らいながら、夢を持ち、それを追い続ける。
 仕事は勿論、私の場合は、自分に拘ること全て、全方向で「ああしたい」、「こうなりたい」という気持ちが沸き、未だ未だこれから・・・と云う気持ちが強い。
 そうなると、どうでもこの衰えて行く肉体を鍛え、共に精神を鍛え続ける必要がある。
 肉体はなかなか鍛えるのに時間がかかりそうだが、精神を鼓舞する言葉は考えられる。

新年に当たり、自分自身に贈る言葉を考えた。
漢字四文字を4つ組み合わせて考えた言葉(漢文ではなく、造語も含まれる。)

    72歳の理想の人生  
勇住邁進(ユウオウマイシン)  常に勇気を持ち進む
創造旺盛(ソウゾウオウセイ)  旺盛な創造力を持って新しいことに挑戦し
全魂投入(ゼンコントウニュウ) 自分のすべてをそこに投入する
夢中迎死(ムチュウゲイシ)   そして明日の夢を追いつつ死を迎える

    心構え
苦難歓迎(クナンカンゲイ)    悩みや苦しみよ、どんどん来い!
不逃立向(フトウリッコウ)     逃げずに立ち向かい
撃破必勝(ゲキハヒッショウ)   苦難を撃破し
獲得歓喜(カクトクカンキ)     その果てにある歓喜を得る

Continue Reading

2018年ものづくり大賞NAGANO グランプリ受賞

http://selco-coil.com/home/uploads/fckeditor/uid000002_20181029131917441ce05a.jpg

「2018年長野県ものづくり大賞 グランプリは・・・・・」

「株式会社・・・・」
 そして
「セ・ル・コ」
・・・と続いた。
 まさかのグランプリ受賞・・・であった。
 今年6月に長野県 佐久地域振興局商工観光課 課長補佐兼工業係長 足立 昌洋氏が当社に来社され、この「ものづくり大賞」に応募をするための打ち合わせをした。
 原稿としては、昨年のものづくり補助金を貰う時の申請書があったため、さほど時間はかからなかったし、足立氏が必要事項、要点等の体裁は全て整えて戴いたため、私としてはさほどこの賞についての「努力感」が無く、9月に「ものづくり大賞」の三社に選ばれたと聞いた時もさほど感激もなかったし、その内の一社が先週講演に行った飯島町の南信精機さんと知り、当社はその南信精機さんにはとてもかなわないと思っていたため、「グランプリは無理!」と最初から思い込んでいた。
 南信精機さんは、先日の講演でも話したが、我々中小企業がこれから向かうべき姿を既に実現している私にとっては“あこがれの姿”であり、はっきり言ってその”格“が違う。
 私はこれまでもブログや本で主張してきたが、まず大企業はモノ造りを日本ですべき、そして日本の中小零細が造った部品を使う、そしてその中小零細は自分の持つ特殊技術を機械屋さんとかでは無くできれば自社でノウハウを蓄積、自動化し、世界のどこよりも安くて高品質の”メイド・イン・ジャパンの部品“を造る・・・そして海外は海外でこれも自動化対応し、日本のマザー工場での改善改革された自動化ノウハウをそのまま移行して対応すべし・・・・。
 これを全てやってのけているのがこの南信精機という会社であり、片桐社長なのだ。
 そんなことで、私は端からこの”グランプリ”は諦めていた。
 未だ他の企業であれば、結構期待したかもしれないが、この南信精機さんには勝てないと思っていた。
そしてまたこの日は年に一度の「いとこ会」開催の日で、今年は白馬のロッジホテル「シェラリーゾート白馬」に行くことになっており、出来ればタイから帰ってきている兄と一緒に行こうと思っていたし、早く従妹の人達とも会いたかった。
 また前日まで大連で結構ハードなスケジュールをこなしてその夜帰ってきており、一週間の締めくくりの日は、できれば朝礼だけでも顔を出しておきたかった。
 ところが9時半までに長野の会場に展示品を準備するようにと案内書に書いてあることを大連で知り、展示品となるコイルを用意して置いてもらい、朝7時にこれを取りに会社に行き、女房と共に「いとこ会」参加の準備をし、いそいそと長野の冬季オリンピック競技の会場だったビッグハットへ向かった。
結構長野市内は朝の出勤渋滞でノロノロ運転だったが9時20分頃には会場に着き、展示品を並べ、どうにか体裁を整えた。
 ・・・と云うことで、私の頭の中は、10時から12時までというこのセレモニーを早く終えて、白馬に向かい、途中信州新町で久しぶりに有名なマトンの焼肉を食べて白馬に向かうというゴールデンスケジュールで満たされていたのであった。
ところが、この突然のグランプリ受賞である。

 受賞の可能性があれば、事前に気の利いた言葉でも用意しておいたが、余りの突然なことで気持ちの整理も付かず、信越放送=SBCの美人アナウンサーからの質問にも、おざなりのことしか答えられなかった。
 しかもこのアナウンサーから突然「おやじバンド」の件を持ち出されてこれまた困惑した。
受賞して表彰状、盾、そしてトロフィーを貰った。
 このトロフィーはガラスの巨大なビー玉の長細いようなトロフィーであり、この結構重いトロフィ―を持って何度も写真撮影に応じた。
 その他、長野県工業技術総合センターの北沢さん等から受賞のお祝いの言葉を戴いた。
未だ私がセルコの社長なって間もないころ、マイクロストーン社の白鳥社長から、これからの中小は開発とか研究をしなければだめだ・・・と言われ、当時の工業試験場とか信州大学工学部にお願いし、コラボで新規開発品の開発をしたりしたことを思い出した。
 その頃のセルコと比べれば、今はまあどうにか格好は着いた会社にはなっている。
今回の受賞も、対象が「高密度圧縮成形コイル」という当社がこれまでのナイーブなコイルの常識を打ち破り、コイルを圧縮したり、曲げたり、一体モールドしたりする技術をこの10数年確立してきたが、業界ではこの技術は、被膜をキズつけるのではないか?という”危ない技術“と思われていたようで、なかなか採用されなかったが、今や、この技術を使って他社との差別化を計り飛躍し始めている会社が複数出始めており、私はこれから様々な場面でこのコイルが使われると思っている。
「高密度コイル」という言葉も、私が10数年前に言い出した言葉であるが、ネットを見るとあっちこっちで使われている。
 ただ当社の高密度コイルの定義は、占積率90%以上=すなわち丸線を使ったコイルを圧縮したモノを指すが、一般的には「きちっと巻かれているコイル」を指しており、多少意味合いは違っているが・・・・。
 又今回はその圧縮の特許技術を更に進化させ、プラスチック成型と同じようにコイルを希望の形、寸法に成型してしまおう・・・という全く常識破りのコイル技術であり、これまでは考えられないような画期的な技術である。
 これが今回受賞の理由・・・と云うことになれば、セルコが特化してきたこの技術が、世の中に認知された・・・と云うことになるのかも知れない。
いよいよ「高密度コイルのセルコ」の時代が始まる・・・と云うことになる。

 後、長野県産業労働部産業政策課の課長さんと主事の方がお二人名刺交換しながらご挨拶したが、恐らくこの方達が、佐久の商工課の足立さん等と共にセルコグランプリの受賞を強く推してくださったのであろうと想像する。
感謝‼感謝‼である。

 会場には何故か当社の監査役、太陽光発電のサンジュニアの西原会長が居た。
この授賞式と共に会場では「産業フェアin信州」という展示会が26,27日と2日間開かれており、商品の展示に来ているとのことであったが知らない人達ばかりの会場で会えてとても心強かった。
 西原さんからはいつもの調子で「賞金は無いのか?」・・・と聴かれたが、そういえば残念ながら賞金は無かった。同時に経理部長の顔が思い浮かんだ。
 テレビ局、新聞社のインタビューも受けた。
 そういえば、昔はテレビ、新聞の取材はしょっちゅうあり、取材慣れしてポンポンと受け答えしていたりしたが最近では珍しい。

 結局、展示品は1時まで展示して置くように・・・とのことで、まさかグランプリの会社がその前に撤収もできないため、西原さんの提案で、会場の食品の展示場での試食品を食べ歩いて昼の代わりにしようとしたが、結局それでは物足りず、おにぎり一個とお茶を買って、信州新町のマトンは諦めた。

 一時きっかりに展示品の撤収をしたが、それでも受賞企業とエクセレンス認定企業の10数社の中で一番早い撤収となった。

 私以上に驚いた女房と会場を後にし、白馬のホテルへ向かった。
会社や友人へは、メールやラインでできるだけ受賞の連絡をした。
いとこ会へは女房が「いとこ会グループメール」で送ってあり、ホテルで会うとみなさんから「おめでとう!」の嵐となった。
 ゴルフのホールインワンよろしく、その日の飲み物は私のおごりとなった。

Continue Reading

久々の講演

 久々に講演をした。
お招きいただいたのは長野県飯島町の商工会と中川村商工会の皆さん。
 実は今年の1月23日に講演予定だったのが昨日10月18日に延期された講演だった。
 1月23日は本当にドタキャンだった。
 若い頃、私は”小諸のジュリー“と言われステージ付きのスナックへ行っては「勝手にしあがれ」で帽子を飛ばしていたが、昨日の沢田研二=ジュリーのドタキャンのように来場者が少ないから講演しないということはない。私は一人でも二人でも私の話を聴いてくれる人がいればいくらでも話す。
 1月23日の時は、その頃猛威を振るっていたインフルエンザに罹ってしまい、どうしようもなくドタキャンしたのだった。
 私は社員に私はEMを飲んでおり免疫が強いため、風邪はひかないと常々言っており、多少風邪気味になってもまず会社を休むことはない。
 その時もただの風邪であれば強行したと思うが、インフルエンザでは如何ともし難かった。
 この講演は南信精機の片桐社長さんが商工会に持ちかけた講演であった。
 片桐社長さんとは二年前の安部知事とベトナム視察旅行というツアーに参加した時、成田で最初に知り合った同ツアー参加の人が片桐社長だったことで、その後旅行中、旅行後もお付き合いさせて戴いていた。
この南信精機さんの工場を見せてもらって驚いた。
この会社は精密プレス金型、精密プラスチック成形金型を自社で手掛け、それぞれ精密プレス品、精密成形品を造っているが、凄いのは、この製品を連結しオール自動化し「プレスチックス」という独特の名称で精密プレスと精密プラスチックをモジュール化した精密機構部品を大量生産していることだ。
聞くと、中国、ベトナムに工場があり、こちらもほぼ自動化しているとのことである。
これは、私が常々言っていた「国内自動化」を実現し、それを更に海外にも展開している(自動化で地消地産)を既に実行していている会社だった。
この会社には当然、これからの車のEV化の波による様々な精密にして大量な注文が入り込んでいる。
これからは更に多くの引き合いが舞い込んで来るはずである。

この未だ若い片桐社長が紹介し実現したこの講演会で、私は10年前の「おやじバンドでNHK出演」したビデオで、まず私のキャラを売り込むと同時に、7分間ビデオの中で会社の紹介を結構丁寧にしてあるため、ある程度の会社案内ができてしまうのだ
そして次に当社の創業以来の売上、利益の棒グラフで会社の歴史を説明。
下請け制度というシステムがいかに親会社は子会社を「生かさず殺さず」で使ってきたか=結局、品質、価格、納期のQCDをメチャ厳しくし、ライバル会社と競わせてただただ何も考えずに、親会社に従わせるシステムであったという説明をした。
そして海外取引の悲惨さも説明したし、円高、リーマンショック、大震災等の経済ショックは我々中小はまともに受ける様を説明、インダクタンス±1%以下という難易度の高い特性をクリアーしたことで大量のコイルが受注出来、安定に向かったことも説明した。

下請け制度の枠から這いだすためには、独自の技術が必要だ。
当社は「高密度コイル」という何の変哲もないコイルに付加価値を付けたことによる特殊技術一本でこの時代という荒波を乗り越えて来た。
我々中小零細はこれからどこに向かえばいいのか?
政府に期待しても無理だ。
自分で考え、自分でPRし、自分で切り拓くしか方法は無い。
世の中の趨勢を良く観察し、自社に何かそれに合った技術とか特徴はないか?を考え、これを伸ばして行くより術はない。
モノ造りをやらずに新しいモノを設計しようとする技術者、メーカーには明日が無い。

そして最後は「逆ピラミッド組織」の話をした。
9月から始めて1ケ月半、当社の組織はとてもすっきりして来て、4人の女性の生産管理担当者と各ライングループのグループリーダーが会社の通常業務を仕切り始め、概ね良好。
当初居場所が無いように思えた管理者らも、次第にこのシステムの中で自分の持つ職能を発揮し始めている。

講演終了後、懇親会にて個別に話をすることができた。
皆さん若い経営者が多く好奇心も旺盛で、この地域は南信精機さんを始めなかなか素晴らしい企業が集まっていると感じた。

Continue Reading

逆ピラミッドの組織

9月1日より当社の組織がガラッと変わった。

 従来のピラミッド型組織が、ひっくり返り「逆ピラミッド型」の組織となった。

逆ピラミッド型の組織!?と困惑される方もおられるかと思うため、若干解説をするが、その前に、当社では何故従来の普通の組織ではダメなのか?という説明をする。

 セルコの社名はセルフコントロールという言葉が元となった社名であり、経営理念も“Harmony & Prosperityy in Self-Controlled people”(自らをコントロールし調和と繁栄をもたらす)という理念を掲げている。

 セルフコントロールというのは、「他から命令、指示されて動くのではなく、自ら積極的に考え、自己管理の下に動きなさい」ということであり、これまで続けて来たピラミッド型組織による上から下への情報伝達と矛盾し、動ける人は自由に自分の部署以外の仕事をしたりしていたため、何か起きた場合、社内各所で一体誰が動くのだ、誰の責任だ・・・という問題が常に起きていた。

 そういった意味では、組織があってないような状態だったということになる。

 そこでそういったことを全て解消する手段がこの逆ピラミッド型組織であった。

 よくよく考えてみれば、通常の量産品の生産の流れは、別に命令や指示でなくても迅速且つ正確な連絡網があればこと足りる。

 この逆ピラミッドの組織の意味するところは、当社では、あくまでモノ造りに携わる各担当者が主役であり、その他の役職者はそのサポーターになるということだ。

 従って一番最下部に位置する社長は「スーパーサポーター」であり全従業員を迅速かつ適切に、しっかりとサポートすると云うことになり、常務、部長、課長といった役職者はそれに準じて上級サポーターとしての力を発揮する必要があるということだ。

 この組織の目的は、特に製造部内=モノ造りに関する組織の簡素化、フラット化であり、通常業務(量産品)に関する全てのやり取りを担当者レベルで遂行できるようにするためのシステム構築を目指したものである。

 その方法として管理部内の4名の生産管理担当者を各得意先別に定め、内示、受注から部材の発注管理、外部調達の管理、社内ライン、検査ラインとの完製品納入に至る全ての生産活動を一気通貫で責任を持って管理してもらう。

 従って、基本的には量産品の顧客窓口と納入業者窓口は各生産担当者ということになり、通常量産品のやりとりは全て生産管理担当者が行う。

 但し品質に関しては、各顧客毎に品質保証担当者を定め対応する。ただ生産管理担当者に品質情報を伝えても責任を持って対応し、解決が難しい問題が発生した際は、担当者と共にサポーターである管理者も加わり、問題に対し迅速に対応する。

 そして各製品別グループ毎にグループ長を選出(一年毎に再選出)し、グループ長は自分の生産ラインの生産状況、品質状況全てを把握し、常に生産管理担当者とコミュニケーションを取り、情報を共有するようにする。

 役職者は全員、これらのラインのサポーターとして当面は社長の指示、依頼で様々な問題解決に当たる。

 従って各ラインで、不良、生産遅延、その他の問題が発生した場合は、各生産担当者から社長に報告、社長はその時の判断で各サポーターに指示、依頼する。状況によっては社長自身が動き、問題の早期解決を図る。

 社長は、当面は采配を振るいながら、出来るところから当システム及び会社全体の整備をし、それぞれ制度化を図って行く。➡適材適所の人員配置、最適システムの構築、スーパー連絡網の整備をし、最終的には殆どの業務は自分達でこなし、社長には必要な情報だけが入いるような状態までに持って行く。(目標1年)

 一方、役職者は、通常のライン仕事からは離れ、不良問題、生産遅延問題等の異常時の対応(当面は社長からの指示、依頼による)をすると共に、新規受注、新規顧客の確保に全力を尽くし、常に「新たなる柱」構築のために努力する。

 社内機構の改革は、当社のような小さな会社でも大変である。

 それも今回のように、組織を180℃ひっくり返してしまったのだから、特にこれまで管理者であった”役職者“は困惑するかと思う。

 これは”意識改革“が必要になる。

 私の考え方は、「役職者」は決して偉くなはない。

 ただ組織の中の一つの役割に過ぎない。

 会社が役職につける意図としては、スキルの高さとか功績とか人徳とか…いろいろな要素があるが、役職に付いても付かなくても同じ人間であり、急に神様のような偉い人間になるわけでは無い。

 それなりの責任が出て来るため、それなりに給与も上がる。

 今回の組織における役職者の役割は只管“サポーター”という役割だ。

 上に行けば行く程、担当者等が気持ちよく働ける環境を提供するのが自分達の役割だ・・・と認識すれば全て上手く行くはずだ。

 逆に言うと、このサポートが上手くできる人程、上級役職者になれるということになる。

 従って、スーパーサポーターたる社長は、社内の誰よりもスキル高くサポートできなくてはならない。

 しかし私を含め役職者は自分ができなくても心配はない、出来る誰かに指示したり、依頼してそのサポートを完遂させる力があればよいのだ。

Continue Reading
1 8 9 10 11 12 40