「やられたらやり返す!100倍返し!」

イスラム国による捕虜の殺害・・・“霊長”と呼ばれる人間は、本当に魂の次元でも生き物の頂点に立っているのか?と疑いたくなる。
それにしても、またヨルダン国は直ちに報復として女性死刑囚と他の死刑囚を処刑し空爆を行った。
憎しみは憎しみを生み、やったらやり返し、ドンドン事態は泥沼化、悲惨化して行き、負の連鎖は留まるところを知らない。

今回のイスラム国は、”国“と云う割にはどこからどこまでという国境線がはっきりしておらず、取ったり取られたりを繰り返している上に、世界各国からの寄せ集め部隊でもあり、その手段に”テロ“と云う非常に特定が難しい集団ということで、まずどんな強大な力をもってしてもこれを完璧に封じ込めることはかなり難しいと考えた方が良いかと思う。

安倍首相は人質を取られたら、取り返すための憲法を改正する・・・と言っているが、アメリカとかイギリスとかも人質奪回作戦を何度かやっているようだが上手く行っていないと聞いている。
そこへ戦い慣れしてない日本の自衛隊が飛び込んで上手く行くとは全く考えられない。
却って戦闘状態になり、そこから日本が戦争に巻き込まれル可能性が大きい。

日本ができる方法としては、やはり黒装束の”忍者部隊“がいいのではないか?
武器は勿論手裏剣で、音もなく敵のアジトに乗り込み、人質を救出して帰って来る・・・この辺が日本のできる限界か?
尤も忍者を送り込むのも憲法改正が必要かどうか?は私には分からない。

はっきり言って、今回の件には、日本はあまり首を突っ込むべきではない。
日本は、無防備の国であり、テロに狙われたらひとたまりもない。
原発もそうだが、地下鉄とか人ごみに自爆テロをされたら、たまったもんじゃーない。国全体が恐怖のルツボと化しパニック状態に陥り、経済も何も立ち行かなくなってしまう。
テロは許されるものではないが、テロとは戦うべきではない。
無防備で平和ボケの日本は、できれば余り目立たずに、そっとこの局面をやり過ごすことが、今の時点では最大の防衛策ではないだろうか?

亡くなった後藤さんも「憎しみの連鎖、負の連鎖を断ち切る必要がある」と言うようなことを発信していたかと思う。
日本はやはり世界で起きるあらゆる紛争を「止めよう!」と呼びかける国になるべきだと思うが如何だろう?

「やられたらやり返す!100倍返し!」は、過去の大ヒットドラマに任せておくことだ。

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岡山県津山市での講演

 これまでの講演で一番遠いところは大阪だったが、今回は佐久平から7時間弱、岡山から1時間ほど入った津山市の商工会議所さんで呼ばれ、講演をした。
 講演内容は先般の信大とほぼ同じ内容だったが、今回の講演の演題が「倒産の危機から脱し、コイル技術世界一の会社を目指す!」ということであったので、特にいかにこの会社が大変な状態であったか、またその危機的状態をどう乗り越えてきたかを話した。

 確かに今からヨクヨク考えてみると、あの売り上げが殆ど無い状態から良くここまで来れたなぁ!という思いがする。
”無我夢中”ということだったかと思う。
 当時の従業員も良くまあ頑張ってあの困難な時を乗り切ったと思う。

 私の講演で一番強調したい点は、「日本のモノ造り文化」ということである。
 島国、農耕民族、何も言わなくても気心が通じ合う世界で稀に見る特異な民族、助け合いの精神がDNAレベルで受け繋がれ、自分の現在の職業を天職と捉え、悪条件、悪環境下でも文句も言わずコツコツコツコツやる人々・・・・これらの特性は他の国がどんなに逆立ちをしても得ることのできない大変特種にして稀有のモノなのだ。
 特に”モノ造り“というひたすら手を抜かずコツコツコツコツやるしか他に方法のないアイテムにとっては大変に重要にして有効な特性なのだ。

 資源もなく、島国日本は海外から入った素材に手をかけ、他ではできないようなモノを造り、世界の必要とする人達に提供して行くこと・・・これこそが”メイド・イン・ジャパン“であり、日本が世界に誇るべきものなのである。

 バブル崩壊後の大企業はこぞって日本を捨て、海外生産に走ってしまったことで、このメイド・イン・ジャパンというブランドは特に家電製品、デジタル製品等の分野では壊滅的な状態となり、韓国や台湾にに抜かれ、中国に追いつかれ、日本のメーカーとしての地位は殆ど無くなってしまった。
 
 それは考えてみれば当たり前のことである。
 いくら日本の企業だとはいえ、中国とか東南アジアでのモノ造りは決してメイド・イン・ジャパンにはなり得ず、メーカーが自覚しているか否かは分からないが、確実にその品質が落ちているということである。
 品質が落ちたことに加え、韓国、台湾、中国は日本のモノ造りを学び、日本とほぼ遜色のないモノを造れるようになってしまった。
 そこには最早日本としてのプライオリティは全くなく、ただただ安いか否か?という価格合戦の世界が広がるだけなのである。
 価格合戦になると、日本国内に本社機構があり、莫大な固定費が付いて回る日本のメーカーは絶対的に不利となる。
 また昨今の経営者がサラリーマン化(オーナー社長ではない)しており、重要決定事項は全て合議制、稟議制をとる今の機構の下では、決断から実行までが超早い中国や韓国にはとてもとてもかなわない。
 
 日本が他の国に勝てる唯一の方法は、他の国では造りたくても造れないような”良いモノ“を造ることしかない。

 それには、大企業の力だけでは無理で、日本の我々中小零細企業を使うこと、それも以前のような下請、子会社に対する隷属的な使い方ではなく、パートナーとしてそれなりの対価を払い末永く付き合うような“姿勢”が必要となる。

 日本の中小零細程、いじめられ、虐げられてきた歴史を持つ国はない。
 大企業は、Q,C,D,の三拍子がそろわない会社にはまず発注しない。
 納期、品質はランク付けされ貼りだされ、ワーストが続くと転注される。
 品質は特に、”魔の抜き取り検査”があり、これに引っかかると、良くて全数返品、ラインに支障があると呼び出しがかかり、人数を繰り出して、その場で全数選別をさせられる。
 私などは、課長時代、”選別課長”と呼ばれ、しょっちゅうアチコチに選別で飛び回った。
 価格はライバル会社と競わされ、大量受注になればなるほど、利幅が少なくなり、モノによっては完全に足を出してしまう場合もある。
 そうやってしごかれしごかれしながら我々はどうやったら、完璧に不良がない製品を造るかを学んできた。

 海外のローカル下請に対し、もしこのような過酷な扱いをしたら、即引き上げられてしまうだろうし、海外に一緒に出た日本の下請に対して日本と同様な扱いは恐らくしない。
 日本人は海外に出ると非常に結束力が強くなり、また海外では親会社だから下請け会社だからというよりは、日本人同士の”同朋”意識が強くなり、何か問題があっても、日本にいる時の様には厳しくできない。
 また社内生産に至っては、最初はそれまでの日本で管理していたと同じような品質を求めるかと思うが、いくらやっても上手く行かないと分かると「まっいいか!」感覚が生まれ、結局は中パッパ状態のモノ造りがまかり通り、公差ぎりぎりの部品、多少公差を外れている部品を使うことが普通になり、結局は今国内にも出回っているような大変壊れやすい”粗悪品”が日本のメーカー品として横行しているのである。
 このような品質では、韓国、中国と戦っても、ただ高いだけで何のメリットも出ないのである。

 日本は少なくとも、マザー工場的に日本で量産品をある程度造り続ける必要がある。日本で量産しながら、”改善・改革”をドンドン推し進め、これを標準化し、これを海外で極力同じような管理,造り方を確立しメイド・イン・ジャパンあるいは少なくとも”準メイド・イン・ジャパン”位の品質を保つことが日本のモノ造りの最低条件なのである。

 このような講演をした後、昨日の打上げ交流会は、次から次へと名刺交換しながら話に花が咲き、結局、殆ど出てきた食べ物には手を付けられず終いとなり、ホテルに戻ったが、やはり空腹のため1Fのレストランへ行き美味しそうなどんぶりメニューがあったため注文した。
「ひまつぶしください!」と云ったら笑われた。
 ”ひつまぶし”と云うウナギを小さく切って最後はお茶漬けで食べるどんぶりだった。
 私も講演の後、お腹が空いて何もやることが無く”ヒマ”だったため、「ひまつぶし」と読めてしまったのだった。

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信州大学 経営大学院での講演

先週の土曜日、長野の信大の経営大学院で講演を行った。
 対象者は、この経営大学院の学生ということで、仕事をしながら経営について学ぼうとしている人達であり、只の学生よりは当然目的意識をもって学んでいる人達である。
 私は以前から、大学は出来れば一旦勤めてから入った方が良いのではないか?という考えを持っていた。
 親のスネをかじって入った大学で、何の目的も持たずに勉強もせず、遊びほうけていた自分自身の反省によるものであったが、卒業後にこのように問題意識をもってから学ぶことは非常に良いことだと思う。
 そんなことで、つい力が入り持ち時間2時間半(実際は質疑応答の時間が1時間位とってあった)いっぱいいっぱいの講演となってしまった。
 おりしも、ここのところのメーカーの「日本回帰現象」が起こり始めたため、こちらの関係からも力が入る。
日本のメーカーの経営者はどちらかというと”日和見“的な部分が多く、世の中の景気がよさそうだ・・・と云うと開発に力を入れ、ちょっと雲行きが怪しいと思うと、急ブレーキをかけて開発を止めてしまう。
 当社は、正に景気のバロメーターであり、当社に来る試作の数で、実質の景気動向は直ぐ分る。
 ということであるから、パナソニックとかキヤノンとかの大企業が国内回帰だということになれば、他の円安の長期化で、国内に生産を戻すかどうか迷っている経営者は、世の中のお墨付きをもらったようなもので、誰はばかりなく国内回帰に舵を切るであろう。
 ここで、私の著書「2020年東京五輪の年にメイド・イン・ジャパンが復活する」の威力が発揮する。
 今こそ、日本のモノ造りは見直されるべきだ。

 まずは、国内で消費するものは国内で造ることである。
 そして部品は日本の中小零細製造業のモノを使う。
 メーカーは、日本でモノ造りを始めたら、社内は勿論、下請も含め改善、改革を積極的に奨励し進める。
 そしてその改善が進んだ造り方を標 準化し、他の国でも全く同じ造り方をする。→国内工場の”マザー工場“化の促進。 
また国内生産の製品は、まず中国、東南アジアに向けて発信する。
 中国、東南アジアの人達は、いくら探してもない”メイド・イン・ジャパン“に飢えていおり、 こぞって日本製を買い求める。
 この傾向は、やがて中国、東南アジアのみならず、世界に広がって行く。
 ここで往年の“メイド・イン・ジャパン”が復活する。
 その時期はちょうど2020年頃になる…と云うのが私のこの本のストーリーだ。
 前置きが長くなったが、下記に今回の信州大学での講演の内容を載せて置こう。

2015年1月10日
信州大学 経営大学院
 「トップマネジメント論」レジメ
                 株式会社セルコ 代表取締役 小林延行
ビデオによる会社紹介

私は二冊の本を書きました。
一冊は、「立ち上がれ中小零細企業」という中小零細製造業の”あるべき姿”を示し、下請を脱出し、大企業に技術的には負けない技術を持つ会社を目指すこと、そして2冊目は、結局電子自主出版という形になりましたが、「2020年東京五輪の年にメイド・インジャパンが復活する」副題として「中小零細製造業の活用によりメイド・インジャパンが大復活するという本です。
 現役社長である私としてはこの本は書いておしまいではなく、書いてからの私の会社の状態がとても重要であった。私は、私の会社がそのモデルになる必要がありました。
 また、二冊目の本に関しては、まずは「日本回帰」を進め、地消地産=すなわち国内で消費するものは国内で造ること。その部品は自社で造ったり、海外から取り寄せるのではなく、日本の中小零細製造業から調達すること。そして最終的にはこの高品質な製品を海外に展開すること。海外で販売することにより、メイド・イン・ジャパンを復活させること。

1、下請けからの脱出
 株式会社セルコ45年の歴史の中で、セイコーエプソンの下請を約20年間(売上10億円~15億/年3工場120名)、アメリカのウエスタン・デジタル社4年(最高売上18億円、1工場45名)、韓国サムソン社2年(売上10億円)、最終的にアジアバブルの崩壊1997年12月に7000万円/月の注文が突然ストップ、従業員を技術者中心の13名に絞り、小林が社長就任。
 親会社から「今、この時点で会社をたたんだ方が良い」と言われたが、5200坪の土地、結構立派な社屋、中核をなす社員のため、諦めることができずに、大リストラの末社長に就任する。
 社長になっても、何をしていいか分からずに、3千万円/月あった売り上げも7~8百万/月に・・・。
 下請というのは、「何もしなくても仕事が来る」、只管待ったが、親会社の仕事も引き上げられ、じり貧に・・・。親が残してくれた遺産も食いつぶし、後は女房と子供の預金しか残っていなかった。
 自己啓発セミナーをきっかけに一年発起し、自ら営業に徹し、「人がやらない、人ができないモノ」を手掛け、徐々に売り上げを伸ばして行き、2008年(3月期:3億8千万円/年)迄順調に売り上げを伸ばしていたが、リーマンショック、引き続き大震災の影響をモロに受け、借金経営に逆戻り。
 「ノーと言わないルール」、「顧客ニーズは発明の母」等の合言葉の元に、とにかく必死で顧客の要望に答え続け、気が付いた時には、かなりの技術力が身に付いていた。
 最先端の開発関係をやっていると、不況、好況には非常に敏感→日本のメーカーの経営者は殆どがサラリーマン化しており、4半期毎の決算が自分の評価に繋がるため、不況が来ると即、2,3年後、5,6年後に花開くような開発は止めてしまうため、不況の声が聞こえ始めると、当社への注文は途端に減少する。逆に、好況だと一斉に試作の話が舞い込んで来る。
 リーマンショック、大震災時の落ち込みは特に激しかった。 

 昨年、3月期にようやく売り上げを3億8千万円/年に戻し、現在は大量受注により今年の3月期予想は一気に6億円/年の予想。来年は年7億は間違いなく、数年後には10億の大台を目指す。3大得意先と10数社の固定得意先、年間100社近い試作、少量多品種、開発のお客様。最近は特に車(EV、HVのモーター)、医療(微細コイル、超特性コイル)等が増えてきている。
 基本は、リニアーモーター用のコイル等産業機器用。
 下請時代の「一社依存体制」からの脱却が一番の課題、現在は3本の柱に10数社の小柱、将来的には5,6本の大きな柱にして行きたい。
 試作引き合いは、多い時は1ケ月13件(二日に1件の割合)、少なくとも5,6件の引き合い。日本の錚々たるメーカーから問い合わせが相次ぐ。
 キーポイントは「他ではできない技術力」
 「高密度コイルのセルコ」をどうやって浸透させるか?
①まずは、必要とする技術者の目に留まること。
→「日経ものづくり」に広告を出す。
②殆どの人が、セルコのホームページを見る。
→分かり易い製品の写真を出来るだけ多く載せること。
 「常識を疑ってみませんか?」「会長ブログ」が人気!
③出来るだけ有力な展示会に出品する。
④新聞、雑誌、テレビ等のメディアに出る。→昨年10月「NHKスペシャル」に出る。本を書く。
ブログを書く。イプシロンロケットに当社コイルが搭載された。(推躍弁)
 工場を見せないこと。
 古き良き下請時代。今は「ただで技術を提供する」ことのみが活きており、親会社が下請け会社の面倒を見る・・方はなくなってしまっている。

2、日本と日本人の特性
①農耕民族で先祖伝来の狭い土地で、いかに良い作物を多く作るか?→コツコツコツコツやり続ける。
また、近所の人と助け合いながら作る→モノ造りに最適な文化、DNAを持つ。=職人。
 どんなに凄い発明や発見でも、基本は”コツコツ”。今後の発明、発見は日本人が主役になる?
 特に「創意工夫」が凄い。
 しまむらのパート社員の創意工夫。
 新幹線の7分間清掃の見事さ。

②中国、アメリカ、欧州の殆どの国は遊牧民族で、自分の土地が涸れたら、他の土地を奪い、自分の土地とする。→交渉、戦略に長ける。営業に適している=商人
③「平和」の概念→欧米では戦争と戦争の間の一時を平和といい。日本では平和は当たり前。
 「ノーと言えない日本人」は実は非常に文化的にも人間的にも高度な人種である。相手の人の状態、立場を考えてモノを言う。思いやり、気遣い、おもてなし、慮り等々、海外には無い言葉や風習が日本にはたくさんある。
 これらは、「恥」ではなく、「誇り」なのです。

3、経営のコツ
①セルフコントロールの会社→自分のことは自分でやる。自主的に考える。
→技術面は非常にうまく行った。社長の口出しが無かった?
②「任せる」こと→1年前から運営委員会の設置。(税理士に見てもらう)
→特にメンバーは責任を持つようになってきた。
③最終的には稲盛さんの「アメーバ管理」
              以上が「立ち上がれ中小零細企業」の内容
 最終的には、みんなが「経営者」の感覚を持てば良いが、なかなかそうはいかない。

4、「2020年東京五輪の年にメイドン・イン・ジャパンが復活する」~ 中小零細製造業の活用でメイド・インジャパンが大復活する
①なぜ今、国内回帰か?
円安、現地の賃金高だけではない。
②なぜ中小零細製造業なのか?
かつて”ジャパン・アズ・ナンバーワン“と云われた時代の日本のモノ造り=メイド・イン・ジャパンは、日本の中小零細製造業の高精度な部品造りがポイントであった。
現在の、メイド・イン・チャイナ製の問題点ハ、部品の現地調達、メーカーの自社生産が問題。
日本のモノ造りの凄さは、”改善、改革の力“
中国から戻った金型の話
スマホの主要部品は日本の部品メーカーが占める
これから世界中で”便利快適“を求め始めると、益々日本の均一にして壊れにくい製品が必要となる。
③なぜ、大メーカーの部品造りではダメなのか?
 メーカーが真似をしても出来ないモノがある(隠し技、匠の技)
マレーシアの巻線の件
 メッキの件
 メーカーの「まっ いっか!?」がメイド・イン・ジャパンの本質を見失わせた

④なぜ、組み立ては自動、部品は中小零細か?
 日本の賃金は高い→ただし大企業は・・中小零細は安い=半分以下
 日本には究極の内職制度もある。(300円、400円)
 大企業は220兆円と言われる内部留保のお金を使って、国内でロボット化し、部品は中小零細製造業に出す。
テレビ「シルシルミシル」の食品業界の自動化がなぜ進むか?
電子部品も全く一緒、大量に長く続けば、日本の小さな部品メーカーも間違いなく自動化に向かう。
 自社のノウハウを詰め込んだ自動機で均一にして精度の高い部品を大量に早く造り、電気は太陽光等の自然エネルギーで賄えば、日本は間違いなく世界で一番安いモノ造りができるはず。
メタンハイドレードの可能性もあり。
 中小にも課題⇒勉強をしない。自社のPRがヘタ。いつまでも大企業の注文を待つ。
⑤なぜ、日本のモノ造りはすごいのか?
  日本人は島国で、農耕民族、先祖伝来の土地で近所の人達と助け合いながら「コツコツコツコツ」といいものを出来るだけ多く収穫しようと創意工夫してきた。
 しまむらのパート社員
 新幹線の7分間清掃 ⇒タイや中国の清掃員と比べる。
            運送業の人足は最低レベル 日本のヤマトとの比較

⑥なぜ、中国人は”メイド・イン・ジャパン“を欲しがるのか?
ラオックスのキヤノン一眼レフに群がる注後幾観光客
本文を読む
 ラオックス
⑦日本に軸足を置くメーカーの検証
 トヨタ、マツダ、富士重工、コマツ、東レ他
 日本での”モノ造り”が基本。トヨタは300万台は日本で造る。マザー工場化。ある程度の”量”を造らないと改善、改革、改新は出来ない。
5、もう一つの経済活性化 再生可能エネルギー産業の促進
6、日本は、世界の中枢技術を席巻する。→軍事大国ではなく、技術大国を目
 指せ!
イプシロンロケット
±11cmのGPS 三菱電機,NECとJAXA
炭素繊維、IPS細胞等

 間違いなく、メイド・イン・ジャパンは復活する。時間の問題
 そして、世界の人々が求めるものは、最終的に”良いモノ“だということ。

7、質問事項
①会社はだれのモノか?

②会社にとって一番大事なことは何か?

③あなたの会社にとって今現在最も大事な課題は何か?

8、質疑応答
                               以上

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日本回帰への流れ

<日経ビジネスの記事より2015年1月5日号「第四次産業革命」より>

 2015年の日本の製造業のキーワードは「再編」となるだろう。まず加速しそうなのが、国内生産への回帰に伴う生産体制の再構築だ。

 ダイキン工業やキヤノンを代表例に、中国などの工場から一部製品の生産を国内工場に戻す動きは既に広がっている。1ドル=100円を超える円安が定着し、足元では120円に近い水準で推移している。新興国での人件費上昇もあり、国内生産の優位性が高まった。

円安基調が続き国内の生産体制を再構築する動きも広がる。

 経済産業省の「工場立地動向調査」では、2014年上期の工場立地件数(電気業除く)は前年同期比42%増の500件。これまでは既存の国内生産拠点の生産数量を増やすというのがケースの大半だったが、今の為替水準が続けば新たな生産拠点を設ける企業も増える可能性が高い。

 例えばシチズン時計は長野県佐久市に時計やその部品の新工場を立ち上げる。ファナックや安川電機などロボット大手も相次いで国内での新工場建設を決めた。いずれも需要は海外が中心だが、高い付加価値とシェアを持っているのが共通点だ。

 アイリスオーヤマもLED(発光ダイオード)ライトの生産の一部を、中国から佐賀県の鳥栖工場に移転。ただ、為替変動に左右されない生産体制を目指しており、「国内回帰するのは国内市場向けに限る」(同社の大山健太郎社長)。日本では人手不足が顕在化していることもあり、企業にとっては何を国内で生産すべきかを見定める必要がある。

 その上で、主力拠点を東京都日野市から茨城県古河市に移転する日野自動車のように、国内の生産体制を大胆に再編する動きも出てきそうだ。これらの投資はほとんどが地方だけに、安倍政権が進める地方創生が軌道に乗るかどうかも、こうした動向が大きく影響するだろう。

<読売新聞 1月5日(月)8時50分配信 >
パナソニック、国内生産回帰…円安・人件費高でパナソニックは、海外で生産し日本に逆輸入している洗濯機やエアコンなどの家電製品の大半を、今春から順次、国内生産に切り替える方針を明らかにした。

 円安の進行や海外の人件費の上昇で海外生産の利点が小さくなったためだ。家電最大手のパナソニックの「国内回帰」が他社に波及し、国内製造業の空洞化に歯止めがかかるかどうかが注目される。

 パナソニックの家電の国内販売額は5000億円前後とみられ、うち約4割を中国を中心とした海外で生産している。

 パナソニックはまず、ほぼ全量を中国で作る縦型洗濯機の生産を静岡県袋井市の工場に戻す。その後、全量を中国から輸入している家庭用電子レンジは神戸市での製造に、中国で生産している家庭用エアコンも滋賀県草津市に、それぞれ切り替えを進める。.

日経と、読売の二つの記事から、ここのところの円安で、いよいよ日本回帰の流れが始まってきたようである。
 これはいい傾向で大歓迎の話だ。

 これだけ円安になっても、全く貿易の黒字にはならず、むしろ輸入品の方が圧倒的に多く、貿易赤字がドンドン膨らんで行く。
 車を除いて、電化製品を始めとする殆どのモノが海外生産だからである。
 
 バブル崩壊後、日本の中小零細製造業は、当時の1/2に減ってしまっている。
 しかも未だにその倒産・廃業の速度は衰えておらず更に減少を続けている。
 
 バブル崩壊後、雪崩を打ってメーカーは中国、タイ、マレーシア、インドネシアへと生産をシフトした。
 車で残った中小製造業は未だよかったが、我々電気、電子部品の下請け業は、国内ではナーンにも無くなってしまった。
 当社は、国内に於いては従業員を1/10の13人に絞り、国内に残る試作。少量多品種等のそれまでの何百万、何十万という注文からすれば”ゴミ漁り”のようなことをしながら、生き延びて来た。
 以前ならば、何万個の引き合いでは、「やる気にならない」・・という状態が、その後は、何万個という数は、夢のような数量に変わった。
 たまたま当社は、「高密度コイル」という開発の最先端を行くアイテムにぶち当たり、この技術力で徐々に回復することができたが、普通の状態ではとても会社存続は無理であったかと思う。
 
 そんなことで、中小零細製造業はドンドン姿を消して行ってしまう。
「息子がいないから」・・という場合もあるが、息子がいたって、おやじが朝から晩まで働いても生活が一向に楽ならない、金繰りで銀行や金融を駆けずり回る姿を見ていれば、誰もこんな条件の悪い仕事を引き継ぐ若者はいない。
 
 しかし、私ははっきりと宣言したい。
 日本の”モノ造り”はこれらの小さな会社が”本元”なのであり、これらの会社が消滅してしまったら、日本の”モノ造り文化”はなくなってしまうのである。

 海外に丸ごと生産拠点を移した多くの大企業は”モノ造り”と云うモノを大変簡単に考えているように思える。
 この辺の詳細は拙書「2020年東京五輪の年に・・・」の本に詳しく述べているため割愛するが、メーカーが海外で自社で造る部品あるいは安いからと言ってローカルで造らせた部品と日本の下請零細企業に造らせた部品とでは均一性、精度等において”雲泥の差”があるということである。

 ということで、パナソニックを始め、色んな企業が戻って来るのはいいが、これらの企業がただただ円安狙い、海外賃金の高騰対策で戻るとすると、まだまだ・・・なのである。
 日本に戻ったら、日本の中小零細製造業の部品を使うことが必要なのである。
 日本で造っても、海外から部品を取り寄せ自動化で造るのでは、真の”メイド・インジャパン”にはならないのである。

 もしも、メイド・イン・ジャパンが復活したら、日本の製品は以前の様に壊れにくく長持ちがし、どの製品も均一となり、当たり外れがなくなる。
 それと日本国内はもとより、海外のお客が”純日本製=メイド・イン・ジャパン”をドンドン買い求めることになり、「買った」、「良かった」、「また買う」の連鎖が起き、これがアジアを始め世界に広がって行くと、東京オリンピックの2020年頃には、”メイド・イン・ジャパン”の大復活が始まり、日本の経済は再び世界に君臨することとなる。
 
 しかし、その道程は決して楽ではない。
 各メーカーの経営者、あるいは政府のお偉いさん達の考え方の根底に「日本人のDNAには”モノ造り”にたいする基本的な好条件がもともと備わっているのだ”と云う確個たる信念がなければならない。

 私の二度に亘って書いた本は、正にそのことを日本の全ての皆さんにしっかり認識してもらいたくて書いたのであるが、残念ながら、ホンの一部の人にしか読んでもらっておらず、その目的は全く達成していない。

 しかし、このようなきちっとした考え方がないと、この混迷し続けている日本は、最終的に何も無くなって行ってしまうような気がするため、私としてはこうして何度でも叫ばざるを得ないのだ。

 これを読んだ皆様、是非、私の言っていることを理解して戴き、ご自分の周りの人達に、この事をお伝え願いたいと思います。

 宜しくお願いします。

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