「国内」コスト半減 格安需要増に対応 という記事が8月28日の日経に載った。 「富士通はスマートフォン(スマホ)の製造工程を9割自動化する。人手より自動化が有利な作業をすべてロボットなどに置き換えることで製造コストを半減する。携帯電話は普及が進み、出荷台数が低迷している。通信費削減のため格安スマホを選ぶ消費者が増えていることから、端末の製造コストを引き下げてシェア拡大を狙う。」 私は色んな弊害説もあるが、スマホは今や各個人にとっては必需品となってしまっていると思う。 その大事なスマホは、今殆どが中国で造られている。 時々、使っていて不具合が生じるのは、私の使い勝手の悪さだけではないように思える。 コンピュータやスマホはできれば、多少高くても絶対安全、安心な品質が欲しい。 私はスマホの主要部品の殆ど、全体でも40%以上は日本の部品というスマホを何故日本で造らないのか?不思議で仕方ない。 日本で主要部品だけでなく、全ての部品を日本で造り、本当の”メイド・イン・ジャパン“でまずは日本で、そして世界に打って出るべきだと思う。 「自動化により製造コストは1台あたり数千円以上削減できる見込み。国内向けに年間数十万台以上を製造すれば、海外の大手受託製造会社に発注するよりコストを減らせる。」 日本のロボット技術、自動化技術を使えば、間違いなく中国よりローコストで生産が可能だ。そして他の部品も国内の中小へ発注すれば、精度が抜群で壊れないスマホができる。 日本の中小=我々に安定して量の多い注文が来れば、間違いなく自動化が進み、更に精度が上がりコストが低減して行くことであろう。 「短納期で生産できる国内工場では市場のニーズに応じ、生産量などを柔軟に変更できる。海外の人件費上昇といったコスト要因に左右されにくい生産体制を築く。」 今や日本が一番モノ造りに最適な国であることを再認識してもらいたいものだ。
お盆休み 草取りとオリンピックと・・
お盆休みが終わった。 今年のお盆休みは、いつもそうかも知れないが非常に暑かった。 そんな暑さを凌ぎながら、今年は会社の草取りをした。 朝5時に会社に行って、6時半頃まで3日間かかった。 草取りといっても、その辺の土の上に生えている草ではなく、コンクリートの上・・・コンクリートの裂け目からにょきにょき出ている根性のある草だ。 ここ数年、私はこのコンクリートの裂け目の草と“対峙”している。 この信州小諸市は、冬はあまり雪は降らないが、凍み上がる。 道路や庭も凍み上がるが、特に当社のようにそれほど深くないコンクリートは、凍み上がると、コンクリートが裂け目ができる。 その少し裂けたコンクリートの裂け目から草が生えだし、放っておくとその脇のコンクリートを持ちあげてまるで人間の作った構造物を壊し、元の自然に帰そうとするかのごとき 働きをする。 私は、この自然の働きに敢然と立ち向かう。 例年は、もっと早めに草を取り深い裂けめに雑草の生えない土を播くが、今年は海外出張とかが多く、かなり後手に回ったため、かなりしっかり草が裂けめの筋に添ってびっしりと生えていた。 これを草を全部引っこ抜き、草の生えない固まる土を播く作業を3日間行ったということだ。 朝5時の小諸は涼しくて快適だ。 地べたに座り込みながら、結構広い玄関前の草をひんむいて行く。 全部抜けた2日目の、そろそろ・・・という時に、腰に痛みが走った。 これまで3~4年無かったぎっくり腰である。 やはり寄る年波には勝てない。 腰は毎日の“ゆれっこ”という足を乗せて横に振る機械でゆがんだ腰を伸ばし、セルパップ37を常に腰に当てているため、これまでめったなことはなかったが、この3日間はセルパップ無しの”朝飯前”の仕事であったため、とうとう腰に来てしまった。 3日目は、息子や孫を起こして手伝わせようか?と思ったが、結局、自分で最後の土撒きの仕上げをした。 またこの夏は、リオオリンピックのお盆でもあった。 私は高校生時代迄卓球をやっていたため、特に卓球の試合には熱が入った。 生中継であろうが、録画であろうが、お構いなしに日本側が得点すると、大声を上げて手を叩いて応援した。 しかし、中国は強い。 シンガポールも、ドイツも中国の帰化人というから、結局、最終的に日本の相手は皆中国となってしまう。 印象として、村上佳純、伊藤美誠は、本当に強かった。 福原愛ちゃんはちょっと粘りが足りなかった。 水谷、丹羽は強かったが、吉村がイマイチだった。 しかし、卓球程メンタルな競技は無い。 何かのきっかけで、盤石になってみたり、メロメロになったりする。これは相手も同じだから、かなりタイムブレーク(休憩)のタイミングも微妙なのかもしれない。 テニスの錦織圭もジョコビッチが1回戦敗退と聴いて、「もしかして優勝!?」と期待したが、まだまだ上がいることを知った。 ただ、最後の3位決定戦は、見せ場を作った。 最後の最後に粘って相手を破った。 勝手も負けてもオリンピックにはドラマがあり、それぞれに素晴らしいかと思うが、やはり日本選手には勝って欲しいと思う。 中国とかロシアとか韓国と島の取り合いをしているが、スポーツ゚の勝敗でどちらかのモノか決めたらどうだろうと思う。 ささいな島の取り合いから“戦争”になり、何人もの戦死者を出すことを考えたら、よっぽどその方が双方の国にとって良いことだと思う。
セルコの新体制と事業承継
この度、6月29日の株主総会、取締役会において新体制、新組織が決定した。 これまで役員は私と私の兄と私の妻のみであったが、今回同時に3名を役員とした。 私は社内で5年後の75歳で会長に退き、私の長男靖知(ノブトモ)を社長とすることを発表した。 事業承継は我々のような小さな会社にとっては大変な問題だ。 70歳になる私は、周りからも「もうそろそろ考えろ!」と言われては来たが、なかなか経営内容が思わしくなく、ここまで来てしまったという感がある。 ここのところ、当社もようやく「人並み」の経営状態になって来たため、ここで一気に体制を整え、次の世代が自分達で会社を運営できるような“準備期間”を設けることにしたのである。 今回は「運営本部」を置き、私の長男を取締役運営本部長とし小林本部長(5年後の社長)下で、現状の試作・開発を除く全ての業務を運営するようにした。 また、私を本部長とした「新規顧客開拓本部」の設置により、浅沼取締役常務、櫻井取締役室長による新規顧客開拓の推進に特化するという組織立てとした。 運営本部の主要メンバーは30代後半であるが、会社の殆どの管理運営を自分達で考え、自分達で実行し、自分達で結果責任を取って行く体制。 そして我々は運営本部を横目で見ながら、とにかく5年先、10年先の新規の柱となる注文を確保しようという背水の陣といった体制である。 会社の発展は偏(ひとえ)に従業員一人一人の成長にかかっており、この5月からアチーブメントという会社にお願いし社員全員の自己啓発研修を実施し始めた。 3日間缶詰状態での研修であったが、脱落者も出ずに全員最後まで頑張った。 次は9月と来年1月に研修をする。 そう簡単には意識が変わるものではないが、確実に何かしらの変化が社内に出始め、今後この会社の先行きが楽しみになって来た。 決して安いものではないが私は社員の“学び”の費用は惜しまない。 伸びる人には、遠慮せずに思い切り天井知らずに伸びてもらいたい。個別の研修も含め、会社として全面的に応援している。 また、社員への福祉という面では、タイへの研修旅行を実施しており、既に過半数の社員がタイへ行き、観光と共に当社のメイン機種を製造しているTIT社を見てきている。 また先ほどの研修の後、私は従業員の誕生月に私が招待する「食事会」を実施し、社員とのコミュニケ―ションを図っており、大変良いアイデアだと思っている。 もちろん長男も一緒であり、このような文化を次の時代にも是非受け継いでもらいたいと思っている。
本当は凄いニッポンの発明力
日経ビジネス7月4日号に載った特集である。 「世界が欲しがる商品18」として色んな事例が載ってい。 現在世界でもてはやされている製品の多くが、実は“日本発”の技術だったということである。リコール問題で話題となったエアバックも、掃除ロボットも3Dプリンタも日本人が発明したものが、他国で市場の主導権を握られてしまったということである。 掃除ロボットは「もし仏壇のローソクに掃除ロボットがぶつかって火事になったらどうする!?」というリスクを考えて没になったということである。 バブル崩壊以降、大企業の経営者は失敗を恐れ、斬新な商品開発には否定的で、結局開発者は既存商品の改善に明け暮れたことが一因とのこと。 最近では大企業を飛び出し、起業をする人が増えてきているという。 そう言えば、当社にもそのような話が何件か飛び込んできている。 そういった人達が我々のような部品メーカーと組んで新しい製品を造り、うまく流通に乗せられれば、今後の日本の新しい方向性が出てくる可能性がある。 もちろん、これは私がいつも唱える”メイド・イン・ジャパン”で、これが昂じてくれば、日本のモノ造りの凄さで他の国を圧倒できるようになるのではないか? 本日参議院選挙だが、一向に盛り上がらないのは、自民党も民進党も日本の経済の本質を知らないだからだ。 大企業を厚遇すれば官僚の天下り先とか企業献金とかの見返りがあり、直接的な恩恵があるからどうしても大企業を優遇する方向に政治は向いて行くのだろうが、国を維持発展させるためには、日本の99%以上を占める中小零細企業を活性化させるしか方法がない。 現に、業績が多少良くなってきた当社は、今まで我慢していた設備の購入、社員の保険加入、建屋の修理、大分おんぼろになった車の買い替え、生産管理ソフトの導入、PCの買い替え、LED照明への付け替え等々、確実にお金が色んな市場に流れて行っている。 しかし、大企業はただただ不況に備え、内部留保の確保をするだけで今や355兆円もため込んでいるという。 これからはドイツやアメリカのようにベンチャー企業や中小零細企業をどう育成して行くかに焦点を合わせなければ、本当の意味での経済の活性化にはならない。