幻のポールマッカートニーコンサート

5月15日出発、5月17日3時までに帰国、私はポールマッカートニ―のコンサートに合わせて、中国出張とんぼ返りの計画をし、パスポート取り違え騒でとんだ目に会いながらも、珠海の工場迄行き、商談を無事済ませマカオ経由で順調に帰ってきた。

5時半開演のため、4時半位には着いていたいため、飛行機が遅れるとちょっと厄介かと思ったら、思いの他スムースで、3時到着の便が、2時30分位には入管に進むことができ、今回は荷物の預け無しで、飛行機内に持ち込みのバッグで対応していたため、最高の速さで入管を出て出国し、いつもの成田クスプレスより早い京成スカイライナーで、一路巣鴨に向かい、巣鴨から秋葉原、秋葉原から千駄ヶ谷に向かった。

ようやく千駄ヶ谷に着いて、先に車で来ているIさんに連絡を取ろうとした矢先に、駅の構内放送が。「本日のポールマッカートニーコンサートは、ご本人の体調不良のため延期となりました。明後日19日に延期いたします。本日時は中止です!」とのこと。

周りの殆どの人達も「えっー!」と絶句していたが、私も絶句である。

パスポートの取違いをこのせいにするわけではないが、できればせっかく珠海、マカオに行ったのだから、多少は観光でもして帰りたいところ、目もくれずただただこのコンサートのために帰ってきている訳である。

先方の董事長からも一緒にゴルフをやりましょうとか誘われても、振り切って帰ってきたのである。

それが、体調不良だとか感染症でコンサート中止ということである。

月曜日は月曜日の予定があるし、どうしようかと思っていたら、先程、情報が入り、今日(日曜日)のコンサートも、明日も中止になったとのこと。

これは、もうちょっと対応不可である。

払い戻しをする他ない。

ちなみに、7万人と言われる人々の大半が既に4時半近かったから、集まってきている。

中には東北とか、かなり遠い車も見かける。

交通費、駐車場、飲食費等考えたら、かなりのロスが発生したこととなる。

私の友人のIさんも、朝5時半に佐久を出て車で来場し、8時には着いていたとのこと。

さすがにこの時間帯は殆どん車は無かったようである。

ただ10時頃に、リハーサルの音が聞こえたらしい。

いづれにしても、このコンサート「幻に終わってしまった」

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パスポートが違う!!

本日(5月15日)、急激な立ち上がり製品の部品供給先との打ち合わせで、急遽中国中山市に向かうことになり、ちょうど一週間前にそれでも少しでも安いチケットと思い、ネットで色々探しまくり、香港経由よりも地の利が良い、上海経由マカオ行きという便を見つけ出し、いつもお願いしている旅行代理店にほぼ同額で確保してもらった。

15日発の問題もあったが、帰る便が問題であった。

17日5時半からのポールマッカトニー国立競技場ライブを見たいからだった。

最近は便利になった。空港行きの乗り合いタクシーというのがあって、1週間前までに予約を入れておけば、どんな時間でも自宅に迎えに来てくれるのだ。

朝8時55分成田第一空港発の便に乗るためには、それまでは、成田前泊が当たり前であったが、この中央タクシーを使えば前泊なしで、結局割安でこのような便に間に合うのである。

結局、夜中の1時半にタクシーが多少迷いながら我が家に迎えに来てくれて一路空港に向かった。

乗り込んだ時に、運転手から「パスポートは大丈夫でしょうか?」と問われた。

パスポートは私の場合は常に、以前に上海で買った結構上物でパスポート専用の財布に入れてあり、これを何度となく確認してあり、「問題ないです!」とい切っていた。

結構、眠れるような眠れないような感じであったが、5時半頃に空港に着いた。

検問で、パスポート検閲となった。

私は専用財布からやおらパスポートを取り出し、係員に見せようとした瞬間!

ギョッとした。

それは私のパスポートではなく、女房のパスポートなのであった。

先般のタイ旅行の時に取り違えて私の財布に女房のパスポートを仕舞い込んでいたということだ。

検問は会社の名刺を見せて一応通過したが、どうしたらいいか?頭の中が真っ白!

取りあえず、第一ターミナルに下ろしてもらい、ターミナル内に入ったが、朝が早すぎて未だ殆ど人がおらず、勿論係員もいない。

即。家に電話を入れたが、二階の寝室の電話が壊れており、女房はなかなか気が付かない。

ネットで「路線」で調べたら、即パスポートを持って小諸を出たとしても、空港に着くのは9時、8時55分発はいずれにしろ絶望!

結局7時まで待ち、該当便であるエアーチャイナの係の人に事情を説明したらチケットの発行旅行業者に相談するしかないと言われ、旅行業者のWさんの携帯に電話を入れた。

私は、行きのチケットだけをどうにかすれば、帰りのチケットはどうにかなるかと思っていたが、格安チケットの場合は、勿論他便への変更も効かないが、行きの便に乗れないと、帰りの便もキャンセルになるのだという。

それでは、本日中に他の便が無いか?聞いたらWさんは、あっさり「ありますよ!」という。それはマカオ直行便があるのだという。それも16時ちょうど発ということだ。

7時半の成田エクスプレスで行けば、佐久平迄行き駅でパスポートを受け取り十分戻って来れる時間である。

責任の半分はある女房に持ってこさせることも考えたが、私の場合は「大人の休日クラブ」に入っており、私が往復した方が、多少でも特になる。

それと、この空港でボワーッとしていても余り世の中のためにもならないため、私が往復する方がいいと考えた。

しかし、未だ問題があった。ここに来て費用の問題はもうどうでも良かったが、困るのはポールマッカートニーのコンサートに間に合う便があるかどうか?であった。

ところが、Wさん、こちらの方もあっさりと問題ありません、当初の便に乗れます・・と云うのだ。

結局、この代替えとなった便が、本来のマカオ直行往復便であり、私の選んだのは、帰りは直行便であったが行きは他の航空会社と組んだ乗り継ぎ便であった。

この乗り継ぎも上海の待ち時間が4時間以上ということだったが、結局、この便は前の便より20分遅れでマカオに着く便だった。

結局、自分で一生懸命ネットで調べて、17日の朝、マカオから直行便で帰れることのみを追った結果、余計なトランジット便を選んでしまっていたのであった。

この便を、Wさんに新たにお願いした。

そして私は一路、佐久平に向かった。

電車に乗ってようやく落ち着いて考えた。

なぜ、私のパスポートと女房のが入れ替わってしまっていたのか?を・・・。

パスポートは、入国の際の審査時には確実に本人のもののはずである。

取り違えたのは、最終の手荷物チェック時に係員が二人のチェックを一緒にした後、私と女房に取り違えて渡したか、私がまとめてもらって、確認せずに分けてしまったか?ということになる。

それにしても大ドジであった。

今、佐久平から東京に向かう新幹線の中でこれを書いている。

E7系といって最新式の新幹線で、コンセントも付いており、コンセントにこのパソコンをつなぎ充電しながらこのブログを書いている。

これから、未だマカオ行きがどうなるかは分からないし、ポールマッカートニーのコンサートを無事見れるかどうか分からないが、もうすぐ東京に着くため、ここでブログにアップする。

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タイTIT社の創立20周年と兄の古稀のお祝い

先月、4月24日から5月1日までの8日間タイに行ってきた。

この4月と云う時期は、タイのお祭りソンクランのある時期で、一年の中で最も暑い時期であり、私は最初にタイに行った時が、この時期でメチャ暑くてえらい目にあったため、この時期のタイは避けてきたのだが、今回は、タイのTIT社の創立20周年記念式典と、今は息子が社長で、自分は会長となっている私の兄の70歳、古稀のお祝いのご招待ということで、行かざるを得ず、私の女房、姉、一番上の姉の連れ合いの義兄と4名で、この暑いタイへ向かった。

空港を降りると、以前のような強烈な暑さは無かったが、空港からホテルまでの、いつもは40分足らずの道が、なんだかメチャ混んでおり、結局2時間もかかって「ロイヤル クイーンズパークホテル」に辿りついた。

このホテルは、タイの中心街スクィンビットでそこそこのホテルであるが、何と言っても私の兄が住んでいるマンションに歩いて行かれる距離であり、地の利がとても良い。

タイの場合は、通りが1本違っただけで、そこまでエラク時間がかかることがあるため、このような地の利が活かせるホテルを選ぶことがとても大事である。

次の日は、会長とみんなで工場へ行った。

ここは、当社の仕事を現在は2種類ほどやってもらっており、そのうちの一種類がこれから結構大きな仕事になって行くため、この会社はセルコにとっても大変重要な位置付けになって行く。

日本人は社長、会長の他に2工場に一人ずついるだけ。殆どは、現地のベテラン作業者からピックアップされたタイ管理者が工程を見ている。

技術者は、会長、社長が考えたアイデアを出し指示すると、それこそアっという間に造り上げる。

普段の仕事は機械のメンテしかないので、時たま新しいモノが入って来ると、おもちゃを与えられた子供の様に嬉々として取組み、モノ凄い速さで造り上げてしまう。

今現在、この会社は総勢250名位で、パワーリレーのコイル専門工場がコンケンにあり、バンコクの西外れのオムノイ市に本社工場があるが、こちらのメインは車関係のコイルであり、結構巻線の難易度が高いコイルで、世界各国へ輸出している。

2011年の洪水の時は、メーカーの担当者が生産が止まっては一大事とこの工場に張り付いていたとのこと。

しかし水は工場の直ぐ際まで迫ったが、浸水はせず、ワーカーをボートで家まで迎えに行き、工場で寝泊まりさせて、全く遅滞なく生産を続けたというから、これは昔ながらの“セルコパワー”が、この異国の地にも根付いているということか?

私の兄は、元々はセルコの創立者でタイへ行く20年前まではセルコの社長をやっていたから、“何が何でもやり遂げる”と云う伝統的な“セルコの精神”は。私がセルコに入る前にこの兄達が造り上げていたものである。

4月27日が創立記念パーティーの日、この日はこの暑い中、記念ゴルフ大会が開催され、70名位の人が参加したが、ホールインワン賞には何とトヨタのレクサスだった。

結局は、誰も取れなかったが、一応賞品は賞品だった。

私は・・・と言うととにかく“池ポチャ”が多く、このホールインワン賞のショートも、きれいに池に落とした。

その後のパーティーはセルコ時代も含め、幼少からの会長の写真と解説のビデオが上映され、その後は、その会場の立地を上手く利用したレーザー光線とダンスのショーがあり、これは見事で、シルクドソレイユを思わせるような素晴らしさだった。

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脱デフレで勝つ

日経ビジネスの2014年4月7日号は「脱デフレで勝つ」というテーマであり、これはこれまでのいかに安く大量に売るか?という方向に対して、いかに高く付加価値を付けて売るか?というテーマの特集で、発想の転換のヒントとなる7つの企業を取り上げている。

①ダイソンのサイクロン掃除機 

 ダイソンは、一台平均2万円~3万円の高機能掃除機を9万円とか7万円のラインナップで売り、国内シェア10%を超えている。

ダイソンのコイルはタイの工場で当社が請負い、約1年間結構な数量を納入した。

自動化が出来る前まで・・・ということだったが、最初に見せられたサンプルコイルはいわゆるガラ巻といって、乱れた巻線でしたが、当社がきれいに巻いて見せ結局ダイソンでは、相当の金額をかけて整列巻きにしたようである。

それは別として、ダイソンは、これまでの「安く、安く!」の方向から、一転して革新的な技術を高く売ることに見事に成功している企業の代表と言える。

②米バイタミックスの7万9000円の家庭用ミキサー

普通のミキサーが1万回転のところ、このミキサーは3万7000回転し、パワーも2馬力と、日本製の3倍ある。

使っている材料も高速、高馬力に耐えうるような丈夫な特殊樹脂を用いている。

「とにかく高速かつ強力に回転し硬いモノも粉砕できるミキサー」というコンセプトで、価格のことは2の次にした戦略で、販売は好調ということである。

③米ゼネラル・エレクトリック社(GE)・・・アフターサービスの充実で高く売る戦略を考えている。

GEは製品が壊れてから直す一般的なアフターサービスではなく、製品が壊れる前に感知して直してしまう・・・というアフターサービスを目指している。

これはコマツのイントラネットサービスのパクリかと思われるサービスですが、やはり機器に通信機能やセンサー機能を付け、機器の稼働状況を収集し、故障の可能性を予測し対応するというモノです。

CEOのジェフリー・イメルト氏は「人件費の安い国を探し求める時代は終わった。これからは製造業の高度化が必要だ」と社内外に宣言し、人件費の削減だけを目的に新興国に拠点を移す方針を改める意思を示した。

この話は天下のGE社の話だけに、未だに「安さ」を求めて東南アジアをさ迷い歩く日本の多くのメーカーにとって大変重要にして貴重な話かと思う。

そうなると、これからの先進国のメーカーはとにかく革新に次ぐ革新が必要となる。

GE社は全社員にシリコンバレー精神を移植し、画期的な新製品を素早く実用化し、顧客の反応を見ながら完成度を高めるべく、社内研修を今年から始めているとの。

④オランダ フィリップス社の油を使わない調理家電「ノンフライヤー」

1台3万円という価格にもかかわらず、発売から予想の4倍となる20万台の販売が見込まれているとのこと。

フィリップス社もGE社と同じような戦略であり、通常の調理器に比べれば高いこの製品を、事前に市場調査をし、間違いなく売れると読んで投入しているとのことです。

フィリップス社も2001年、2002年と2期連続の赤字に陥ったとのこと。原因はAV機器や半導体、部品など、好不況の波が激しく価格競争に陥りやすい事業の低迷だった。

そこでジェラルド・クライスラーCEO(当時)が下した対策が、不採算分野からの撤退と、高収益事業への集中だった。

2006年に半導体事業、2012年にはテレビやオーディオ事業を売却し、医療、照明、家電の3分野に特化した。

そして「儲かりにくい事業を売却して得た資金を内部留保として溜めこまず、儲かる事業を買う原資に活用する。この好循環こそ高付加価値化できた最大の要因だ」と分析しています。

これも220兆円と云う内部留保金を溜めこむ、日本の大手企業の経営者の方々に是非、お聞かせしたい言葉である。

日本のメーカーこそ、有り余る資金は、不況の備えというような後ろ向きの用途ではなく、これまでに誰も考え付かなかったようなアイデアを出し合い、全く新しいアイデア家電製品を次々と売り出すようにすれば、日本は海外などに絶対負けない製品が出揃うはずである。

GE社は壊れる前に発見して直すと言っていますが、日本は「壊れない」モノ造りを目指したら如何かと思う。

⑤米 アイロボットのロボット掃除機「ルンバ」

シャープもロボット掃除機を発売しましたが、半年で17.3%の値崩れをしているそうです。しかしアイロボットの掃除機は4.6%しか値崩れしていないとのこと。

ロボット掃除機は日本の多くのメーカーも開発をしていましたが、結局はアイロボットのルンバに先行され、多くの市場を奪われてしまったようである。

その大きな違いは両者の研究開発への取組の違いにあったようである。

ちなみにこのアイロボットの研究開発費は売上高の13%に相当する6000万ドル(60億円)であり、トヨタ自動車の4%、パナソニックの7%などの日本の主要メーカーを大きく引き離しているとのこと。

イギリスとかアメリカとかオランダとかの大手メーカーは、既にこれから先を読んだ戦略を持って進みつつあるが、日本のメーカーはどうなっちゃってるのかな?

せっかく円安になっても、日本で造るモノが少なくなってしまっているため、海外への輸出は進まず、逆に輸入額が割高となって、貿易赤字が増大する一方である。

日本が、もっと早くからメイド・イン・ジャパンを意識し、国内にて多少高くてもホンモノのモノ造りに徹していたら、今頃、中国、ロシア、インドの富裕層から中間層までが、こぞって日本製品に群がっていたかもしれない。

 〈日本企業の事例〉 

 勿論、この特集には日本の企業も登場している。

① 安売り合戦で疲弊し赤字経営を余儀なくしていた長崎ちゃんぽんのリンガーハットが食材を国内野菜に切り替え、「餃子と共に食べると大人の一日の野菜の目標摂取量をほぼ賄える」とのうたい文句の下に価格を490円~500円に切り替え、集客を伸ばし黒字に復帰した。

 海外の食材(安いが不安あり)から、国内野菜に切り替え、安心・安全、栄養面をピーアールすることにより値上げをしても、お客が付いてきたという事例だ。

② スーパーの食品トレーメーカーの日本最大手メーカーのエフピコは、それまで増収増益を続けてきたが、昨年来の原材料の高騰により、急速に業績が悪化した。

 小松会長は、これからは高く買ってもらえるトレーを開発するため、内部留保を溜めこむのではなく、新素材研究などに資金を積極的に詰め込むとし、今まで20%程度だった独自製品比率を2016年度までに70%まで高めるとしている。

これまでの日本の経営者の殆どが、不況になるとただただお金を溜めこむというスタイルから研究開発にお金をつぎ込み、従来の経営戦略から大きく抜け出す経営者の例だ。

③ 山梨県で4店舗を展開する高級スーパーのアマノは、「安売りせず良い商品を提供し、他社と差別化することこそ、地場スーパーが生き残る道だ」と夕方4時からは、有名レストランやホテル出身のシェフ総勢70人が腕を振って最大45品目の本格的な高級総菜を惣菜バイキングとして、ずらっと並べ、多くのお客が喜んで買い求める。

 調味料も品数が豊富で高価格のモノをそろえ、全体の品目数も平均的な1店舗当たりの2万品目よりも30%多いン、2万5千品目が常時陳列されている。

 スーパーといえば、「安売り合戦」がすぐ目に浮かぶが、このスーパーは「差別化戦略」を取り70名の優秀なシェフが腕を振るって高級食材を作るということ。(立ち食い本格レストラン「俺のフレンチ」、「俺のイタリアン」を彷彿(ほうふつ)させる手法だ。)

今の日本には正にこのような戦略が求められているのかも知れない。

恐らく、この店に来るお客はこの高級総菜だけを買って帰るわけではなく、普通の食料品もついでに買って帰ることだろう。

必要なのは「ブランド」。ブランドになりうる製品を造りだすことが必要かと思う。

④ 山口県岩国市の純米大吟醸「獺祭(だっさい)」・・・旭酒造

このお酒は、米を最大77%磨いた芯の部分だけを使用し、極限まで雑味を取り除き、日本酒らしくないフルーティーな香りがするすっきりとした飲み口が受け、一本3万円でも飛ぶように売れているとのこと。

それも売れているのは日本だけではなく海外のワイン通をもうならせており、富裕層を中心に、タイ、インドネシア、エジプトの3ケ国で新たな販売を開始し現在は20ケ国で販売しているとのことである。

2014年中にはワインの本場フランスに直営店を出すようであるが、正に本物の「ブランド」になって行く。

この事例が、私が主張するメイド・イン・ジャパンのブランド戦略に最も近い戦略かと思われる。

まず、日本できちっとした他社との差別化製品を造り上げ、これを海外に売り出す。やはり新興国の富裕層がこの高いお酒を買うという構図である。

⑤ 東京世田谷で1斤3000円の高給食パン・・・イコールコンディション

これは毎日100本限定の完全予約制の食パンで、この他シナモンパン1斤3143円、バニラパン1斤4096円などと常識では考えられない値付けをし、受付開始すると、数日から1週間で予約が埋まってしまうとのこと。

このパンは小麦や水、天然酵母などの素材にこだわるのは勿論、通常の5倍近い時間をかけて発酵させているとのこと。

また工房にはモーツァルトを流し、空気清浄機を回して清潔な空気を保ち、酵母菌の済みやすい環境を整えているとのこと。

この日経ビジネスのテーマは「脱デフレで勝つ」というテーマだが、これらの事例は正に私が唱える「メイド・イン・ジャパンの復活」そのモノである。

この今回の事例で問題なのは、家電メーカーは全て海外メーカーの事例であり、いかに日本のメーカーの考え方や戦略が先進国としての方向を向かず、未だにただただ「安さ」を追い求めて、彷徨っているという事実である。

そして逆に日本のスーパーや食品関係の会社が、多少高くても、それなりの品質と魅力があれば、十分に国内でも売れ、また海外でも十分に商機があるということを示している。

日本こそ、この日本のモノ造りインフラを最大限に活かし、とにかく「良いモノ」、「壊れないモノ」、「便利快適・省エネ製品」を造り、きちっと世界一厳しい国内消費者の支持を得た上で、海外に打って出る・・・という明確な戦略を打ち出すときかと思う。

もたもたしていると、海外のメーカーが日本の中小零細の技術を使い、私の言う「メイド・イン・ジャパン」を実現し、利益を持って行かれてしまうかも知れまない。

当社もそう長くは待てない、他の優秀な中小零細企業も、恐らく独自の展開で、海外企業と始める可能性が大である。

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